サーキットを満喫できるBMWのつくり方 〜2021年2月14日岡山国際サーキット『第4回 ASSIST サーキットスターズ』より〜
2021年2月14日岡山国際サーキット『第4回 ASSIST サーキットスターズ』より
サーキットを満喫できるBMWのつくり方
Photos/稲田浩章 Text/勝森勇夫
ASSISTは京都にあるBMW専門店。車両販売とチューニングで全国的な知名度を持つ。『CIRCUIT STARS』と銘打つ岡山国際サーキットでの走行会は4回目を数え、谷口信輝選手がゲストとあって、大いに盛り上がる。ここでは谷口選手がドライブした車両と、取材班がピックアップした車両の仕様概要を紹介。サーキットを満喫できるBMWづくりの参考にしていただきたい。
まずはゲストの谷口信輝選手がドライブした車両を紹介
ASSIST F82 M4
アシストの主力デモカー 。エンジンはタービン換装で608psの最高出力と71.7㎏-mの最大トルクを発揮する。さらなる速さを追求すべく、ここにきてインタークーラーはC&Rの大容量タイプに交換されている。フットワークはオリジナルのサスキット。L.S.D.はOS技研のTCDを組む。オリジナルのエアロキットとボルテックスのGTウイングにより、大きなダウンフォースを得る。谷口選手による当日のベストはユーズドタイヤで1分39秒472。後日のAttack in 岡山では1分37秒352と、ベスト更新を果たしている。
■エンジン/S55B30
■ECU/LAPTORR
■タービン/PURE TURBOS STAGE-2 PLUS
■インタークーラー/C&R
■インテーク/Gruppe M RAM AIR SYSTEM
■フロントパイプ/LAPTORR DOWN PIPES
■マフラー/LAPTORR EXHAUST SYSTEM F826tb
■サスキット/ASSISTオリジナルダンパー
■ブッシュ/LAPTORR フルピロボール仕様
■アーム/LAPTORR FRONT LOWER ARM Adjustable
■ブレーキ/ENDLESS Racing MONO6&6r
■L.S.D./ASSISTオリジナルOS技研TCD
■ホイール/BBS RI-A LAPTORRオリジナルサイズ(18×11.0J 37)
■タイヤ ADVAN A052 295/35R18
■エアロパーツ/LAPTORR +VOLTEX GTウイング
■シート/RECARO PRO RACER RMS 2600A
ASSIST G29 Z4
目立った軽量化はせず、一般の人も購入できるアイテムのみでチューニング。サスキットはイントラックスと共同開発を進める試作品で、足まわりが共通となるスープラのユーザーにとっても注目のパーツとなる。エンジンは吸排気とECUチューンのみ。デフはOS技研のスーパーロックL.S.D.を装着。ブレーキはパッドのみスポーツタイプに交換。この日は、「ハンドリングに違和感がある」という谷口選手のインプレどおり、サスペンションにトラブルが発生。それでも1分46秒台を刻むのだから、ポテンシャルは高い。
■エンジン/B48B20
■ECU/LAPTORR
■インテーク/REVOLUTION RAM AIR SYSTEM
■フロントパイプ/RAPTORR DOWN PIPES (試作)
■マフラー/LAPTORR EXHAUST SYSTEM G294tb
■サスキット/INTRAX 4way+ARC+Black titan(試作)
■ブッシュ/LAPTORR フルピロボール仕様
■ブレーキパッド/ENDLESS
■L.S.D./ASSISTオリジナルOS技研スーパーロックLSD (試作)
■ホイール/VOLK RACING TE37 SAGA 18×10.0J 34
■タイヤ/ADVAN A052 295/35R18
■シート/RECARO PRO RACER RMS 2700G
藤田 F82 M4 DTM仕様
FLOSSMANNのM4 DTMワイドボディキットを装着。トレッドの拡大を活かし、タイヤは前後295幅をセット。しかし、エンジンはいまのところ吸排気とECUのみのライトチューンだ。ミッションは純正のDCT。サスキットはイントラックスベースで、ブッシュはフルピロ化されている。この日はボディキット装着後、初のサーキットラン。しかし、タイヤは10年前のユーズドだったため、完全にグリップ不足。それでも谷口選手が乗って出したタイムは1分40秒422で、「ダウンフォースの恩恵を感じるクルマなので、新品タイヤで走ってみたい」とのコメントもあった。
■エンジン/S55B30
■ECU/bootmod3(bm3)
■インテーク/Gruppe M RAM AIR SYSTEM
■フロントパイプ/LAPTORR DOWN PIPES
■マフラー/LAPTORR EXHAUST SYSTEM F826tb
■サスキット/INTRAX 4way+ARC+Black titan
■ブッシュ/LAPTORR フルピロボール仕様
■アーム/LAPTORR FRONT LOWER ARM Adjustable
■ブレーキ/ENDLESS Racing MONO6&6r
■ホイール/VOLK RACING ZE40 VOLK RACING ZE40 LAPTORRオリジナルサイズ 18×11.0J 37
■タイヤ/POTENZA RE-11S 295/35R18
■エアロパーツ/Flossmann M4DTM + VOLTEX GTウイング
■シート/RECARO PRO RACER RMS 2600A
中村 F87 M2
フルカーボン仕様のワイドボディがド迫力。エンジンはタービン交換で433psを発生。モアパワーを求め、燃料ポンプが容量アップされた。ミッションは純正DCTだが、制御プログラムを変更している。サスキットはナイトロンベースのオリジナルで、ブッシュはフルピロ仕様となっている。タイヤはA052を履き、谷口選手に新品でアタックしてもらった。「パワーは少なめだけど、バランスがよく、安心して走れる」という。1分40秒781の好タイムも納得のコメント。
■エンジン/N55B30
■ECU/bootmod3(bm3)
■タービン/PURE TURBOS STAGE-2 PLUS
■燃料ポンプ/DORCH ST-2
■インタークーラー/WARGNER
■フロントパイプ/ER Competition
■マフラー/LAPTORR EXHAUST SYSTEM F876tb
■ミッション/xHP N55B30T0 M-DCT Stage3
■サスキット/NITRON ASSISTオリジナル
■ブッシュ/LAPTORR フルピロボール仕様
■アーム/LAPTORR FRONT LOWER ARM Adjustable
■ブレーキ/brembo racing R-GT-S kit 4POT
■L.S.D./ASSISTオリジナルOS技研TCD
■ホイール/VOLK RACING TE37 SAGA LAPTORRオリジナルサイズ 18×11.0J 37
■タイヤ/ADVAN A052 295/35R18
■エアロパーツ/PSM-DYNAMIC M2 F87 Full Carbon Widebody + VOLTEX GTウイング
■シート/RECARO PRO RACER RMS 2600A
大西 F87 M2 competition
エンジンは吸排気とコンピュータ・チューニング。エキゾーストはASSISTのラプターで揃える。サスはイントラックス、ブレーキはエンドレス、タイヤはA052を履く。シートはレカロRMSを装着。谷口選手の評価は「接地がしっとりしていて、ノーズがスッと入っていく。エントリーからミッドもよくて出口も終盤まではよくて、だけど、最後の最後、いよいよ脱出というところでリアが出てしまう。タイヤが古いというのもあるかもしれないが、ウイングやL.S.D.などで解決すれば、もっといいクルマになる」とのこと。1分41秒232はM2コンペティションの中でも好タイム。
■エンジン S55B30
■インテーク Gruppe M RAM AIR SYSTEM
■フロントパイプ LAPTORR DOWN PIPES
■マフラー LAPTORR EXHAUST SYSTEM F876tbC
■ECU bm3
■サスキット INTRAX 4way+ARC+Black titan
■ブッシュ LAPTORR フルピロボール仕様
■アーム LAPTORR FRONT LOWER ARM Adjustable
■ブレーキ ENDLESS Racing MONO6&6r
■ホイール BBS RI-A F:18×10.5 R:18×11.0J
■タイヤ ADVAN A052 F:265/40R18 R:295/35R18
■シート RECARO PRO RACER RMS 2600A
ここからは取材班がピックアップした車両を紹介
荒木優治さん E92 M3
ASSISTサーキットスターズは初回からフルエントリー。ホームコースは鈴鹿サーキットで、自己ベストは2分36秒台だ。愛車のE92 M3はサーキット専用車としてチューニング。タイヤは高性能過ぎないスポーツラジアルをチョイスして、「当面はタイヤのグリップ力に頼らず、スキルアップを目指したい」と話す。フットワークは、ナイトロンのサスキットをセット。最近投入したOS技研のL.S.D.の効果がテキメンで、コーナーが格段に曲がりやすくなったとのこと。
■エンジン/S65B40A
■エアクリーナ/K&N
■マフラー/LAPTORR
■サスキット/NITRON RACE-R3
■テンションロッド/LAPTORR
■ブレーキ/brembo
■ブレーキパッド/ENDLESS
■L.S.D./OS技研スーパーロックLSD ASSISTオリジナルスペック
■ホイール/VOLK RACING TE37SAGA 18×10.5J 20
■タイヤ/ADVAN NEOVA AD08R 265/30R18
■エアロパーツ/LAPTORR +VARISボンネット+VOLTEX GTウイング
奥村博英さん F80 M3
こちらは通勤にも使う普段乗り兼用車。タイヤは街履き可能なスポーツラジアル(NEOVA AD08R)を選択している。パワー系はECUとマフラーのみ。その他もブレーキパッドの交換程度というライトな仕様。それでも十分、サーキットを満喫できていると語る。今後、やってみたいチューニングの筆頭はGTウイングの装着。いちばんの目的は苦手な高速コーナーでアクセルをしっかり踏めるようにすること。併せて見た目のインパクトアップも図りたいからという。
■エンジン/S55B30A
■ECU/bootmod3(bm3)
■マフラー/LAPTORR
■ブレーキパッド/ENDLESS MX72
■ホイール/VOLK RACING G025 F:19×9.5J 25 R: F:18×10.5J 35
■タイヤ/ADVAN NEOVA AD08R F:255/35R19 R:275/35R19
もっつさん F82 M2
ルックスのよさに惹かれ、国産車から乗り換えたという。「走り」も「ドレスアップ」も大好きなオーナーはドレスアップイベントにも頻繁にエントリーしているそうで、カスタムは機能性だけでなくビジュアルにもこだわる主義だ。装着するタイヤとホイール(ミシュランCUP2と純正の組み合わせ)はサーキット専用。普段はアメ鍛(VOSSEN S21-01)で足もとをキメている。アシストにオーダーした、インテリアのフルカスタムも大のお気に入りポイントだ。
■エンジン/S55B30A
■ECU/bootmod3(bm3)
■マフラー/LAPTORR
■サスキット/NITRON RACE-R3
■アーム/SPL(Rアッパーアム Rトーアーム Rトラクションリンク)
■ブッシュ/LAPTORRピロブッシュ (Fテンションロッド、Rロアアーム)
■ブレーキパッド/ENDLESS MX72+
■タイヤ/MICHELIN CUP2 F:255/35ZR19 R:275/35ZR19
■エアロパーツ/F:Mパフォーマンス+3Dデザイン S:APRパフォーマンス ガーニーフラップ R:コーレンストッフ+ MパフォーマンスGTウイング
■シート/RECARO SR-6
■ステアリング/Mパフォーマンス
■ロールゲージ/BMWモータースポーツMOTO-GP
塚﨑高明さん E46 M3
BMWは、20歳の頃からの憧れのクルマ。2台所有し、M3はサーキット専用車としてチューン。普段のアシはX6だ。M3が搭載する直6の自然吸気エンジンが大好きで、これからもエンジンは完全ノーマルを貫く考え。自慢のチューニングポイントは足まわりとフルアルカンター仕様の内装。サスはクワンタムの車高調ベースで、ブッシュはフルピロ化。セッティングはアシストに一任し、好みの「シャキッと気持ちいい乗り味」に仕上げてもらっている。
■エンジン/ S54B32
■エアクリーナ/K&N
■フロントパイプ/LAPTORR DOWN PIPES
■マフラー/LAPTORR EXHAUST SYSTEM
■サスキット/QUANTUM QUAD-T5
■ブッシュ/LAPTORR フルピロボール&リアアクスルキャリアフルリジッド
■ブレーキ/AP RACHING
■クラッチ&フライホイール/OS技研 ストリートマスター
■L.S.D./ASSISTオリジナルOS技研(TCD)
■ホイール/VOLK RACING TE37-SL F:18×8.5J 35 R: F:18×9.5J 22
■タイヤ/MICHELIN PS 4S F:235/40ZR18 265/35ZR18
■エアロパーツ/SIBON carbon bonnet&trunk +VARISリアディフューザー
■シート/RECARO (LAPTORR original custom)
■インテリア/フルアルカンターラ仕様
■アシスト 京都府京都市山科区音羽前田町48-1 TEL075-581-2338 https://assist-kyoto.co.jp/