【REVSPEED創刊30周年記念企画】世界に誇る日本のチューニング『ASSIST 高澤嘉英』編

2020/12/25 18:17

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BMWチューナーとしてチューニングやパーツ開発に取り組むだけでなく、車両販売からメンテナンスまでトータルにサービスを行っている。カスタマー目線はクルマ好きとしてBMWに向き合う高澤代表の主義


プロフェッショナルな人材と最新の設備で突き抜けたBMWチューンを展開

ストリートチューンからサーキットアタックまで手掛ける国内BMWチューナー。デモカーによるテストで効能を見極めてからつくり出されるオリジナルブランド『ラプター』を含め、全国のBMWユーザーに浸透している存在だ。
「いまでこそBMW専門で活動していますが、走るのが好き、上手くなりたいという考えで走りとクルマに向き合える車両販売をスタートさせた当時は、BMWに手を加えようなどという気持ちがいっさいありませんでした(笑)。というのも、当時の僕は多くの皆さんと同じように外車=高級車といったイメージを持っていたんです。ところが、国産スポーツモデルを乗り継ぐ中で、930ポルシェに乗ったとき、ドイツ車の凄さに感銘しました。それから積極的にインポートスポーツに乗っていき、理想のベース車両と思えたのが、E36のM3でした。頑丈なボディ、エンジンやフットワークの仕上がりが素晴らしかった」と高澤代表。

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ロケットバニーのボディキットに295/30R18を履きこなすE92 M3は、S/C仕様の608psでセントラル1分22秒をマーク。今後は4.6ℓ化でさらなる高性能化を図る

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PURE TURBOSステージ2のハイフロータービンを備えるM2。bootmod3 DMEチューニングでエンジン制御。ミッションのプログラムもxHD TCUチューンにより変更

そこで商売として考えるなら、それまでの体制を崩さずにBMWを新たに少しずつ手掛けていくのが望ましい。しかし、高澤代表は専門店として活動すべく、自身が乗りたいクルマで固めていた在庫を矢継ぎ早にBMWに入れ替える。チューニングだけでなく、スタイルアップも含めてBMWの魅力を発信していくためには、広く浅いではない、専門知識の蓄積が必要と考えての決断だった。
そうした姿勢が周囲を惹きつけ、BMWディーラー出身メカニックの加入やBMWジャパンとのパートナーシップ締結によるパーツ供給ルート確保といった具合に、専門店に要求される体制やノウハウが着々と整っていく。
「走り込んではイジっていく中でBMWの考え方や狙いも見えてくるようになり、BMWチューナーとしての幅はどんどん広がっていきました。ただし、クルマの進化への対応や日々高まっていくユーザーの要望を満たすには、まだまだ設備やノウハウに磨きを掛けていく必要があり、そこは焦らずにコツコツと取り組んでいます」

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プロフェッショナル集団と最新設備

高澤代表に惹き寄せられるようにBMWスペシャリストが集い、現在は10名のプロフェッショナル集団で活動している。技術力向上やニーズに応じて随時導入されてきた設備は空調管理が万全なエンジン室や各種工作機械、ダンパーテスターにダイノジェットなど、かなりの充実ぶりだ。現状でも隙のないファクトリー体制に思えるが、デモカーのみならず、カスタマー車両でも先進のチューニングを施すためには、もっと欲張りたいと高澤代表は考えている

昨年、新たに導入したダイノジェット。自然吸気からターボへと移行したF型以降のモデルでは、ユーザーが気軽に楽しめるステップアップメニューを提案できると考え、パワーチューンにも意欲的に取り組んできたが、電子制御が複雑に絡み合う最新モデルでは体感できない制御も明確にする分析が不可欠と判断。パワーチェックだけでなく、走行テストや走行データのロギングまで可能な最新設備として活用している。
エンジンはオーバーホールやメカチューンに対応。サスキットはダンパーテスターを駆使しての開発やオーバーホール、仕様変更を行う。ミッションオーバーホールやLSDの細やかなセッティングも施している。

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FRスポーツとしての魅力に磨きを掛ける

フットワークチューンでもさまざまな要望に応える。サスキットはもちろん、ブッシュやアライメントセッティングなど引き出しは多彩。L.S.D.はOS技研とのタッグ。セッティングはもちろん、取り付けに際しての加工など、一歩踏み込んだところまで対応できるノウハウを備えている

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こだわりのオリジナル製品

デモカーで突き詰めたアイテムは、カスタマーにフィードバック。生産効率重視ではなく性能重視で仕立てた『ラプター』ブランドは海外からの評価も高い

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サーキット走行会を開催

500psも当たり前の昨今。カスタマーが安全に走れる場所を提供しようと、参加しやすい日曜にBMWのみの走行会を開催。次回は来春までに開催予定だ

「僕自身がクルマ好きだからこそ、面白いと感じること、やりたいことを突き詰めていくのが、ユーザーニーズを満たすことにつながると考えています。開発テストでレーシングドライバーだけでなく、僕がドライブする理由も同じ。仕様が適正かどうか、目指すべき方向性についてはプロ、ユーザー目線は僕といった形でチェックしていけば、完成度も高まりますから。いつになるかはわかりませんが、将来的にはアルピナやAMGのようなコンプリートカーをつくりたい」
クルマ好きを楽しませてくれる特別な存在としてMシリーズに力を注ぎつつ、BMWの魅力を広く発信していくために通常モデルにも精力的に取り組む。BMW限定で日曜開催の走行会など、今後はハード面だけでなく、ソフト面でのカスタマーサポートにも力を入れていく。現行Z4のデモカーも完成。最新モデルへの対応力の高さを見せつけてくれることだろう。

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G29 Z4もいよいよ完成

モデルデビュー直後にデモカーに迎え入れていたZ4はノーマル+αでのデータ収集&分析を終えて、いよいよセカンドステップにアップデート。コンセプトとして貫く、走りのリアル感を引き出すため、取材時はフルピロボール化やメンバーのリジッド化、機械式L.S.D.の装着を図っている最中だった

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