【REVSPEED創刊30周年記念企画】世界に誇る日本のチューニング『CRUISE 吉川大志郎』編

2020/12/25 18:12

CRUISE

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北の大地のハイパワーチューナーといえば名前が挙がるクルーズだが、じつはカスタマーの多くはメンテナンスやライトなチューニングを依頼。そんな人々を支えるために、じつは見えないところで密かにテストをしまくっている


十勝でも筑波でも日常でも結果を残すための準備がテストだ

北海道札幌市にありながら、18年前の2002年には筑波スーパーバトルに参戦。現在も継続的に筑波スーパーバトルに参戦し、クラス優勝するなど存在感を放つのがクルーズだ。
本州にも名を轟かせるハイパワーチューニングが持ち味。タフなエンジンビルドと大きなタービンを絶妙なセッティングで低回転から回す技術は、道内のドラッグレース参加者や、サーキットアタッカーから高い支持を受けている。実際に十勝スピードウェイ・ジュニアコース&クラブマンコースの過去のレコードホルダーも、クルーズでメイキングを行ったランエボだった。
しかし、北海道は距離的にも本州から遠く、何かと遠征コストも掛かる。決して広くはない日本だが、チューニングにまつわる最新情報がどの地域でも同じタイミングで聞こえてくるかというと、それは難しい状況にある。だからこそ、クルーズはこれまでも積極的に情報収集を行い、ときには遠征して最新トレンドをキャッチ。道内のチューニングカーにその技術と情報を注ぎ込んできたのだ。

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ローラー式シャシダイ完備でセッティングはほぼこちらでできる。降雪時期でもエンジン製作後のセッティングやラッピングなどもできる利点がある

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ECUセッティングは日産、スバル、ホンダ、スズキ、三菱などなどあらゆるツールをそろえる。「土地柄、あらゆる車種がいらっしゃるので、ほとんどのメーカーのECUツールをそろえています。同じ車種ばかりなら、そろえるECUツールも少なくて済むのですが、そうもいかないのでECUツール貧乏です」と吉川マネージャー

ボッシュのローラー式シャシダイもいち早く導入。公道では詰めきれない領域をしっかりとセッティングする。フルチューンのGT‐Rなどは、十勝スピードウェイをスタッフが走らせて最終的なセッティングの確認まで行う。ECUチューニングは本州の最先端ツールと情報をつねに仕入れている。それら日々の進歩があってこそ、筑波に遠征しても引けを取ることなく、好タイムを残すことができるのである。
そして、そんな最新の技術とスタッフによる熟練の作業、そして、手厚いサポートサービスがユーザーを支えてきた。そんなユーザーに寄り添ったサービスこそクルーズの真髄であるという。
「うちはハイパワーチューニングショップのように思われますが、全然そんなことはありません。そういう車両も製作できるというだけで、ほとんどのお客様はメンテナンスや車検、それからライトなチューニングです。その代わり、そういったライトな作業でもよかったと思っていただけるように、デモカーや自身のマイカーでテストを重ねたものだけを提供するようにしています」と吉川大志郎マネージャー。

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最近はデモカーとしてアルトワークスとスイフトスポーツを用い、いずれも筑波スーパーバトルで好タイムをマーク。アルトは1分9秒874でクラス優勝、スイフトスポーツはAT仕様ながら1分7秒112を刻んだ

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スターレットターボのチューニングにも精力的に取り組み、最終的に400ps近くを発揮!! 十勝スピードウェイ・グランプリコースで2分18秒067は当時としては驚異的なタイム

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スタッフの大島さんによるお手製ワイドボディキットを装着したS15

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2002年12月には故 山路慎一選手ドライブでCP9Aで筑波スーパーバトルに参戦。59秒372をマーク

たとえばチューニングショップでは珍しいボディコーティング。デモカーで年単位でテストしたものを選び、施工後は半年ごとのメンテナンスを推奨。施工には5~6万円ほど必要だが、メンテナンスは1万5000円ほどで、秋にメンテナンスを推奨。いい状態で冬になれば降雪時の雪が積もりにくく、日常の使い勝手がラクになる。春になって雪の季節が終わったら再びメンテナンスをすれば、傷んだ表面を復活させ、夏場はツルツルの美しい輝きを楽しむことができる。同様にテストを重ねたガラス用フィルムは運転席やフロントウインドゥに合法で使用でき、熱を遮断するのでエアコンの効きがよくなるものを厳選。

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よい状態を長く保ってほしいと、いろいろなオイルをテストした。エンジンを担当する本江メカも「メタルの綺麗さに驚いた」というのがロイヤルパープルオイル。SOD-1Plusは油膜強化とスラッジ分解に効果的

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車高調をただ取り付けるだけでなく、寸法を確認しながらグリスを塗って丁寧に作業する。パーツを付けて終わりではなく、そのあともつき合うカスタマー車両だけに、どんなグリスを使うと長く使ったあとどうなるかなど、細かく把握して次回の作業に活かしている

オイルはフィーリングがよいとかではなく、デモカーで使用し、エンジンオーバーホール時のクランクメタルのダメージの少なさから『ロイヤルパープル』を選ぶ。添加剤にはエンジン内部やミッション、AT内部の油路のスラッジを分解する能力の高さから『SOD‐1Plus』をチョイスする。
北海道は融雪剤との戦いでもある。錆びやすい下まわりはテストの結果から、防錆剤『テクチル』の施工を推奨。車高調も固着しやすいので、取り付け前には必ずすべてバラしてグリスを塗りながら組み上げるが、このときのグリスもいろいろなものをテストした結果、現在は特殊な樹脂系グリスに行き着いた。
こうしたあらゆるサービスをユーザーに還元するべく行ってきた結果、チューニングカーだけでなく、セカンドカーのメンテナンス入庫が多いのがクルーズの特徴。それだけ長く愛されてきたチューニングショップなのだ。

クルーズ

北海道札幌市西区発寒10条2-8-10
TEL 011-664-1757
http://www.cruise-power.co.jp/






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