マイチェンしたメガーヌR.S.でもニュルのタイムアタックは行うのか?
純ガソリンエンジンでの最後のタイムアタック!?
マイチェンしたメガーヌR.S.でもニュルのタイムアタックは行うのか?
ルノー・ジャポンに聞いてみました
Photos/平野 陽 Text/佐藤和徳(レブスピード編集部)
レブスピード2021年7月号(5/26発売号)では、マイナーチェンジが実施されたルノー メガーヌR.S.(ルノースポール)のインプレッションを掲載している。試乗を行ったのはジャーナリストの高平高輝氏だ。
マイナーチェンジにより、「R.S.」(標準車)が「R.S.トロフィー」(よりスポーツに振った上位モデル)と同じエンジンを搭載するようになった。これにより280psから300psに増強。また、「R.S.トロフィー」のMT車には、ローンチコントロールが採用された。
箱根ターンパイクで行われた試乗会。グイグイ曲がるし、登りでも強烈な加速でシフトアップも楽しい!R.S.ならではの痛快な乗り味を堪能できた。
詳しい試乗インプレはレブスピード7月号を見ていただくことにして、ここでは、試乗会の合間における、ルノー・ジャポン広報の佐藤渉氏との「よもやま話」を紹介。
それは、ニュルアタックをはじめ、「R.S.」ブランドから「アルピーヌ」への移行と電動化、開発ドライバーのロラン・ウルゴンによって分けられた「走行モード」によるドラテクと制御介入についてだ。
(※以下は4月7日における、大観山での立ち話の内容です)
アルピーヌに吸収されて、ニュルアタックはどうなるのか??
編集部)
マイチェンされた車両でもニュルでタイムアタックを行う動きはありますか? みんなシビックタイプRとのタイム合戦を注目してますよね。
佐藤氏)
現時点では情報がないんですよ。なぜかというと、2020年7月に新たなCEOであるルカ・デメオが就任しまして(カルロス・ゴーンの後継)、21年の1月に新しい中期計画を発表したんです。その中で、ルノーの組織を変えまして、いままでルノースポールが担っていた部分を、全部アルピーヌが受け持つことになったんです。
編集部)
ルノースポールの部署が、性格が違うアルピーヌの管轄になるのですか!
佐藤氏)
かなり大きな変化です。アルピーヌは、もともとルノーではあるんですけど、独立したブランドとして存在していました。対してルノー自体では、ルノースポールがレースから市販車のスポーツモデルまで統括していていました。アルピーヌはそこにはまらずに、独立ブランドの位置付けだったものが、今度はアルピーヌがルノースポールを吸収して、スポーツブランドをアルピーヌが受け持つことになったんです。
この先の商品展開を、我々もまだ聞いてはいません。でもF1もアルピーヌになり(21年からルノーは「アルピーヌF1」のチーム名で参戦)、レース活動は全部アルピーヌが担うということです。体制が変わったばかりで、このメガーヌにもR.S.のネーミングは残しているんですが、これがモデルチェンジか、どこかのタイミングで、アルピーヌに変わる可能性があります。
その、「変わる」といっても、このクルマの延長線で変わるものなのか? まったく別個のクルマと生まれ変わってアルピーヌのブランドをつけて登場するのか正直まだわかりません。
編集部)
R.S.のスパルタンな仕立てが好きな自分にとっては、ヤワに変わってしまわないか心配になるところです。
佐藤氏)
アルピーヌになったときに、コンセプトがどうなるのか? ニュルのタイムアタックもどうなるのか? その商品が見えないので、まだまったくわからないんです。
ひとつだけいえることは、アルピーヌは将来的に全車電動化されます。それがフルEVになるのか、ハイブリッドなのかわからないですが、電動でスポーツブランドをやる大方針は決まっているので、その中にニュルみたいなチャレンジが取り入れられるかどうか? というところですね。
もう時効かもしれないんでいうんですけど(笑)、フェイス2というか、このマイナーチェンジしたモデルで、ニュルのタイムアタックを行う話はあったんです。我々も聞いていて、そのうちやるだろうなと思っていたうちに組織が変わってしまった。その意味で、ニュルでのタイムアタックはいま白紙なんですけど、プロジェクトとしてあるかないかというと、仮にあっても一旦止まってますんで、すぐはないんじゃないかと思いますね。