FA24ターボを6MTでダイレクトに操る! WRX STI Sport# PROTOTYPE 試乗
FA24ターボを6MTでダイレクトに操る!
WRX STI Sport# PROTOTYPE 試乗

4月19日(日)に富士スピードウェイで開催された『シン・モーターファンフェスタ2026』。その目玉のコンテンツのひとつが、『SUBARU Premium Test Drive 2026』だった。東京オートサロン2026で展示されたWRX STI Sport# PROTOTYPEを、なんと来場者が自ら運転できるというもの(抽選)。
試乗車両はプロトタイプとはいえ、スバルテクニカインターナショナルがコンプリートカー『WRX STI Sport♯』として600台を限定発売する仕様と違いはない。
ここでは、マルチパーパスドライビングコースで行われた試乗会でのインプレと、SUBARU 商品革新本部 スポーツ車両企画室の小林正明PGMに聞いた車両のこわだりについてお伝えする。

この車両のハイライトは、マニュアルミッションの搭載。そう、日本仕様のWRXに6MTが復活したのだ。ターボのFA24エンジンをMTでダイレクトに操れる。

トピックは枚挙にいとまがない。手間暇かけたバランスドエンジンを搭載。ピストンとコンロッドの重量バランスや、クランクシャフトとフライホイール、クラッチカバーの回転バランス公差を低減しており、振動が少なく滑らかで上質なフィールを味わえる。

ダンパーは専用チューニングを施したZF製の電子制御式だ。ブレーキはブレンボ製モノブロック6POTキャリパー(リアは2POT)にドリルドローターを組み合わせている。
フレキシブルドロータワーバーやフレキシブルドロースティフナーなどSTI独自のパフォーマンスパーツも装備する。
バランス取り済みFA24エンジンに6速マニュアルMTを組み合わせたSTIのコンプリートカー
https://revspeed.jp/2026/04/62721/
車両の狙いやこだわりを
小林PGMに聞いた

説明していただいたSUBARU 商品革新本部 スポーツ車両企画室の小林正明PGM。WRX、レヴォーグ、BRZ、レイバックと、スポーツ系車種を担当している。
『♯』は1段階乗り味をよくするという意味合い

「まずは外観まわりから説明しましょう。タイヤはブリヂストン POTENZA S007(サイズは245/35R19)で、この車両専用の仕様となっております。ホイールも専用のマットブラック塗装。ブレーキはブレンボ製のフロント6POT、リア2POTキャリパーとなり、ZF製の電制ダンパーも専用チューニング。走行モードにより乗り味の切り替えができます。

スポーツモード(Sモード)は少し硬めの乗り味になり、ワインディングを気持ちよく走れることを狙ったものです。ちなみにバネレートの変更はありません。『STI Sport♯』ということで、♯は1段階乗り味をよくするという意味合いを含めてセッティングしています」

「2.4ℓのFA24エンジンはかなり熟成してきたもので、極めて良質に仕上がっていると思います。それをベースに、バランスドエンジンはピストンやコンロッドの重量、フライホイール、クラッチカバーの回転バランスについて、少なくともあるバラツキを一部は手加工も施して抑えています。
その効果は、私自身も走行して確認しました。エンジンECUなどのマネージメントに変更はありませんが、3000rpm以上あたりから、回転バランスのよい走りを体感いただけると思います」
操って楽しいクルマを世に出したい

「私が責任者の立場になって、『なんでマニュアルミッションを出さないんだ?』と、本当にさまざまな場所でたくさんのお客様にご意見いただきました。それは応援でもあり、お叱りの言葉でもあり。
バッテリーEVや環境のことを考えつつも、やはり操っていて楽しいクルマを世に出していきたい。それを、いまある技術での組み合わせで。そこで生まれたこのモデルは、気持ちよく走っていただけるセッティングを施しました」

「MTを出すことで多くのお客様からさまざまな反応をいただいきました。限定車でなくカタログモデルにならないかとの声もあります。細かいことはいえませんけれど、やはりその期待には応えて検討していきたいなと思います」

「FA24をMTで操る楽しさもありますが、今回の試乗会では応答性のよさも感じていただきたいなと思います。動的にクルマはたわんだりしますが、専用タイヤやダンパー、スティフナーも入れてあることで、操作に対しての反応にラグがなく、意のままにクルマと対話できるような、そういう手応えを感じていただけるはずです」(小林正明PGM)
乗り比べてわかったバランスドエンジンの感触

この取材では、特別にバランスドエンジンの乗り比べが行われた。まずは標準エンジンが搭載された車両で走行。もちろんノーマルエンジンでもスムーズで滑らか。なんの不満もない。
その後、バランスドエンジンが搭載された車両を試乗。アイドリング時は違いがわからなかったが、やはり3000rpm付近から回転の上昇が雑味なくスムーズ。レブリミットまで軽く回り、エンジンからの振動も少ない。エンジン音も澄んでいる気がする。
そのターボパワーを伝えるマニュアルミッションだが、操作感は軽くてスムーズなもの。引っ掛かりや硬質感はなくスコスコと入る。ZC6 BRZからZD8 BRZとなった際に、操作の上質感に大きな感銘を受けたが、それに通じる進化がある。
バランス取りエンジンや特別装備やセッティングが施されて車両価格は610万5000円。標準モデルの上級グレード(530万2000円)との価格差は意外に小さい。これに対して、「限定車でもありますし、メーカーにしかできないこともあります。私達としてもお得な価格で提供したい気持ちがあるのです」と小林PGMは答えてくれた。

