「梅田剛の予選車載とロガーも公開!」レブスピードの六大会連続ポールと、新型NR-Aと、カーボンニュートラル燃料と、ギネス世界記録への挑戦と。【第35回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース】

2024/10/16 13:15

「梅田剛の予選車載とロガーも公開!」

 

レブスピードの六大会連続ポールと、新型NR-Aと、カーボンニュートラル燃料と、ギネス世界記録への挑戦と。

 

【第35回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース】

 

Photos/伊藤嘉啓,MAZDA Text/佐藤和徳(REVSPEED)

 

オープニングラップの様子。先頭は6大会連続でポールポジションからスタートしたレブスピードだ


なんとしてもギネス記録のチェッカーを優勝で迎えたい

 

9月21日に開催された第35回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース。2024年はロードスター生誕35周年。そしてメディア対抗ロードスターレースも35回目の開催となる。これを記念して、マツダは「世界一長く続いているワンメイクレース」としてギネス世界記録を申請。それがチェッカーとともに認定されることになる!

 

 

 

スタート前にポールポジションのグリットにて。レブスピードのドライバーは左から梅田剛、後藤比東至、蘇武喜和、編集部から塚本剛哲と佐藤和徳

サポートスタッフとともに4時間後の優勝を目指す!

今回、チームに迎えた相馬勉監督(右)

 

 

 


その記念すべきチェッカーまで4分前。レブスピードは2位のポジションにいた

 

昨年は2位表彰台だったため、今年は3分半ものピットストップ・ハンディキャップを頂戴していた。それでも、レース中盤の雨で若干燃費も楽になり、ペースアップして2位まで上がる。しかし、終盤には路面が乾いてきて、逆に途端に燃費が苦しくなってしまった。そして、チェッカー間際でガス欠ストップを喫する。「なにより優勝を狙う」戦略は、厳しい結末をもたらした‥‥‥。

 


チェッカーとともにメディア対抗ロードスター4時間耐久レースのギネス世界記録も樹立!

第35回の優勝はベストカー・チーム。このレースのギネス世界記録達成ともども、おめでとうございます!!

 


五大会連続ポールポジションの梅田剛

 

と、レース結果だけみると、「レブスピードはまたガス欠かよ(汗)」なのだが、誇れることもある。それは六大会連続ポールポジションと、またまたフロントロー記録を更新したこと。予選ドライバーは2019年に堤 優威がポールを獲得。それ以来はレブスピードドラテク通信添削『R会』の梅田剛講師がアタックして五大会連続ポール。「もはや負ける気がしない」(梅田談)とのことだが、さすがに周囲からは「空気を読め」との雰囲気がヒシヒシと伝わってくるので、梅田講師が10大会連続でポールを獲ったら「殿堂入り」として、予選ドライバーは交代してもらいましょう。

 

 

それにしても、梅田講師の速さはどこに秘密があるのか? この記事の後半では、予選の車載映像を公開するとともに、アタックした計測3周のデジスパイスⅣのログデータをタウンロードできるようにした。そこからわかることは、高い「補正能力」だ。マニアックな内容となるが、ドラテクオタクやパーティレーサーには大好物の記事であるはず。じっくり車載とロガーデータを見比べてほしい。

 

梅田講師の車載映像とログデータのダウンロードのページはこちら

 


今回のトピックの新型ロードスターとカーボンニュートラル燃料

 

さらに第35回のトピックとして、レース車両の変更とカーボンニュートラル燃料(CNF)にも注目。これまでの4耐専用車はNR-Aグレードがベースではあるものの、エアコンや助手席、オーディオ、カーペットなどの内装がなく、若干軽量だった(走りや手押しの感覚から約50kg軽量だったと予想!?)。

 

 

それが、最新型のロードスターNR-Aパーティレース仕様に車両が変更された。電動パワステの制御やDSC-TRACKやアシンメトリックLSDの採用など話題も多い。市販車そのもので、ナンバーがついていないだけの違い。以前より車両重量は増加している。

 

 

給油できるCNFはスーパー耐久レースで採用されているもの。マツダによると、市販のハイオクガソリンと比較して、ノッキング特性や燃焼性能はほぼ変わらない。ただし、レース走行においてはガソリンに比べて約5%の燃費悪化が見込まれるという。

 

 

これらの変更は、市販車を使うことでレースを身近に感じてもらうとともに、この4耐が環境にも配慮したサスティナブルなモータースポーツイベントにチェンジしたことを表している。

 

以前の4耐専用車より車両重量が重くなり、CNFに変更されたことで、燃料計算も変わってくる。上位を狙う各チームはその中でギリギリの戦略を練っている。レブスピードも想定周回数からの燃費計算はバッチリのはずだった(泣)。


車両の変更とCNFで走りはどう変わった?

 

話が前後するが、車両と燃料が変更となる危惧を払拭すべく、マツダは前日にテスト時間を設けてくれた。梅田講師と、編集部の佐藤が走行する。結果としては、CNFといっても、エンジン音、パワーは、ガソリンとの違いがわからなかった。それよりも梅田講師も佐藤もND・NR-Aパーティレーサーだっただけに、新型NDの進化とよさを実感する。ふたりともマイカーとしてNR-Aを乗っていただけに、以前のレース専用車より違和感なく走ることができた。

 

 

未来の燃料であるかもしれないCNFでも、ロードスターでサーキットを走る楽しさはまるで変わらずであり、ひと安心。

 

そして、本番の4時間レースでも、始動や走り方の違いもなく、給油方法も以前のガソリンと手順も変わらなかった。

 

CNFはガソリンとは違って着色されておらず透明無色。ちなみに、かなり揮発性が高いらしい

 


DSC-TRACKはかなり使える!

 

今回の4耐はドライ〜ウエットと路面状況が刻々と変わり、ロードスターに新採用された『DSC-TRACK』制御を興味深く何周も確かめることができた。

 

 

DSC-TRACKはスポーツドライビングにおける操作や意思の邪魔をせずに、ある程度のカウンターステアすら許容。それでいて最終的には危険な状況を回避してくれる走行モードだ。一般的なDSCは作動するとアクセルOFF状態でしばらくクルマが反応しなくなるが、これはすぐ一瞬で復帰。だから、タイムロスは最小限となる。

 

 

とくに、4耐のようなエコラン走行では、空走からのターンインでもボトムスピードを落とさないようにギリギリで進入するため、滑りやすい路面ではフラフラしてしまうことがある。これを書いている佐藤も、何度かDSC-TRACKに助けてもらった。雨が降ったり止んだりで、最終コーナー進入は毎周難しい状況だったが、滑り出して作動してもDSC-TRACKは一瞬で挙動を収め、直後のアクセル操作に反応しれくれる。今回のレースで大きなクラッシュやペースカーの出動がなかったのも、このDSC-TRACKが大きく貢献しているはず。

 

 

次のページは梅田講師のポールポジション車載映像とロガーデータを公開

 

 






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