フェニックスパワー R35 GT-R 「1000psオーバーで挑む 鈴鹿最速R35チューンドの座」
フェニックスパワー
R35 GT-R
1000psオーバーで挑む
鈴鹿最速R35チューンドの座
Photos/益田和久,清水良太郎 Text/村田純也
R35GT-Rに搭載されるVR38エンジンもチューニングが熟成されるにともなって、サーキットにウェイトを置いた仕様では1000psオーバーも当然となってきた。
そして、今回フェニックスパワーが鈴鹿サーキットに持ち込んだ2台のR35も、タービンが20RXと25Gといったサイズの違いはあれど、4.3ℓ×TD06SHベースで1000psオーバーを発揮させるハイチューンドとなっていた。
さて、まずはR35最速タイムとなる2分4秒2を誇っている黒R35だが、こちらはレース用ガソリンを使用してプラス100psのアドバンテージ加えたMAX1180psのアタック仕様。
ポテンシャルの高さに見合うパッケージングとすべく、空力強化や335/25R20のフュージャー・A7がマッチングされている。
レース用ガソリンでセッティング煮詰めた4.3ℓ×TD06SH-25Gは、1180ps&134㎏-mものポテンシャルを発揮。駆動系強化なども含め、アタック車両として死角のない仕上がりを誇っている
圧倒的なポテンシャルを速さに結びつけるため、335/25R20のフュージャーA7をマッチング。タイヤウォーマーも使用し、最大限のグリップ性能をアタックラップ時に発揮させる
1100psオーバーというスペックを考えれば現状でもダウンフォースは必要十分といえないが、アタック車両とはいえストリートチューンドの延長線上へ位置させている
アラゴスタの3wayダンパーを使い、フットワークの安定化を模索中。apレーシングで高めたストッピングパワーも1100psオーバーには少し不足気味と捉えている
今回は来シーズンのタイム更新を見据え、跳ね気味となってしまうフットワークの安定化を模索。谷口信輝選手がドライビングした。
減衰力やレートを変えての変化を探りつつの、ユーズドタイヤでのアタックだったが、混雑したコーストラフィックでクリアラップが取れない状況でありつつも2分5秒011をあっさりとマークしてきた。「これだけのパワー&トルクになるとフットワークが思うように煮詰まらない」とはフェニックスパワーの横山代表だが、NEWタイヤ&クリアラップという条件がそろうだけでレコード更新は確実な状態といえるだろう。
そして、続くは市販ガソリンでのMAX1080ps仕様で、サーキットアタックだけでなくストリート走行までもこなす白R35。こちらは285/35R20のPOTENZA RE-71RSをマッチングしているのだが、これまでのベストはストリートチューンドのR35として最速の2分7秒4。次なるステップへ進むために、蒲生尚弥選手がドライビングして目標を2分6秒台に定めてのトライだったが、黒R35と同じくコーストラフィックに悩まされることとなり、注目されたタイムは2分8秒898となった。
4.3ℓ×TD06SH-20RXと仕様的には黒R35に近いが、市販ガソリンでセッティングしているため1080ps&132㎏-m。これだけのポテンシャルでありつつ、ストリートのクルージングまでこなす
ストリートチューンドとしてチョイスしたのはPOTENZA RE-71RS。空力、タイヤといったタイムに直結するポイントをストリートの範疇へ留め、2分6秒台を狙っている
サイズを抑制するだけでなくカナードレスとし、必要最小限のダウンフォースとしたフロントセクション。そうした空力チューンでマークするタイムは驚きのひとことだ
サーキットアタックだけでなくストリートもこなすという条件だと、アタック車両以上にフットワークのセッティングは難しい。こちらもセッティングの自由度の高いアラゴスタ3wayをベースに最適化中だ
2台いずれもベスト更新は果たせなかったが、モンスター級となる1000psオーバーのパッケージングバランスを見事整え上げていることは明らか。この領域となると熟成状態からさらなる繊細な煮詰めを要求される様子だが、来期のアタックシーズンに向けて完成度を一層高てくるに違いない。
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