高精度+知りたい数値を正しく測れる+作業のしやすさなどが光る 先進アライメント測定器 『Race Gauge』 GR Garage GROW盛岡と佐々木雅弘に そのアドバンテージと活用術を聞く
2025/04/18 07:29
- CATEGORY : ニューパーツ
高精度+知りたい数値を正しく測れる+作業のしやすさなどが光る
先進アライメント測定器 Race Gauge
GR Garage GROW盛岡と佐々木雅弘に
そのアドバンテージと活用術を聞く
兵庫県神戸市の『インパルス』がレーシングファクトリーやチューニングファクトリー、ディーラーやタイヤショップ、整備工場などに向けてつくった『Race Gauge』は、正確に素早く測定と調整ができる高精度&多機能アライメント測定器。GROW代表で自動車メーカーやタイヤメーカー、パーツメーカーの開発も手掛けるレーシングドライバー佐々木雅弘は同社の田嶋 聡代表と旧知の間柄で、Race Gaugeへの理解度も高いが、改めて有効性を聞く。
GR Garage GROW盛岡
佐々木雅弘がプロデュース。車両販売、メンテナンス、カスタマイズ、モータースポーツのサポートなど、気軽に相談できる店。トヨタ車やレクサス車に限らず、対応可能。岩手県紫波郡紫波町高水寺字稲村27-1 TEL 019-676-2330 水曜日定休
バンプステアの把握とそこからの作業が早い
ダミーホイール式アライメント計測器のレースゲージは、サスペンションの伸縮や荷重変化の状態をガレージ内(サーキットのピットなどでも)で再現し、そのときどきの数値を把握できたり、直進状態のみならず、ステアリングを切った状態の数値まで測ることができたりと、先進の機能を備える。GR Garage GROW盛岡では、その主力製品『プレミアム』を導入している。
『精度の高さと耐久性』や『親切設計』(糸に近い箇所に目盛りが備わり、ライト付きルーペなどによって視認しやすく微調整しやすい)、『作業効率のよさ』(ダミーホイール式なので、タイヤの偏摩耗やホイールの歪みは関係なく、隅間から工具を入れて、数値を見ながら作業できる)、3Dアライメントテスターなどに対する『導入コストの安さ』などの特徴に加え、本質的なメリットを佐々木雅弘が述べる。以下はそれをまとめたものだ。
左右それぞれのホイールベースやトー、サスペンションメンバーの位置ずれなど、さまざまな数値が一目瞭然でわかるのは、とくに旧車などで助かる話。
タイヤやサスキットを選定して、車高やアライメントをセットしていく際は、1G状態で左右のトーをチェックするが、そこからストロークさせていったときのバンプステアも必ず確認している。バンプアウトならトーを少しインに入れておくとか、あらかじめ加減するわけだが、それが台上で測れるのがいい。
スプリングを外してリフトの脚を掛けて、数値を見ながら下げていくと、変化が確かめられる。スポーツカーには少ないが、ミニバンやセダンには急に変化する領域があったりする。アームがどういう動きをするのか、理解してからでないと、セッティングは始まらないから、じつに便利。
ステアリングを切っていくときのキャンバー変化、いわゆるステアリングジオメトリーを把握できるのも大きい。
たとえば、4WDのGRヤリスなどは、ターンインの際、イメージ的にイン側の前輪がアウト側の前輪より外側を通る。そして、そこからイン側の接地が高まるが、それゆえにイン側に角度をつけていると、そこから引っ張り出す力が増す。リアのスプリングレートとの関係だったり、L.S.D.が備わるクルマだったりという条件はあるが、±0のトーよりもトーアウトのほうが調子よかったりするから、そういう技を繰り出すことにも使える。
最終的にはタイヤをグリップさせることが目的で、そのための正確なデータを取りたいからアライメントを測るわけだが、それにあたって、レースゲージはこの上ないパートナーといえると結んだ。
ルーペは老眼でも見やすいのはもちろんのこと、そうでない人も合わせ作業がラク
定規の目盛りは糸との距離が近く、正確に読み取りやすい。車高やホイールベースなど、測りやすい工夫も施されている
キャンバーゲージはこのような市販のものを用いて、ダミーホイールの横で数値をチェックできる
ダミーホイールはハイトが高い設計で、R35GT-Rなど、オーバーハングが長い車種でも、鏡に向ける光が車体の下を通せるようになっている
作業中の佐藤淳店長。ダミーホイールの隙間から工具を挿し込んで、数値や車高を見ながら調整できる。作業時間の大幅短縮が得られる
高精度設計ゆえにできることだが、ダミーホイールのハイトが高いのでフロントとリアは向きを反転させないでゲージを移動させることができ、リアもフロア下で光を通せる。もちろん、画像のように反対向きにゲージを取り付けることもできる
サスペンションジオメトリーであるバンプステアのほか、ステアリングジオメトリーとなる操舵していくときのキャンバー変化もガレージ内(サーキットのピットなどの現場でも)で再現し、そのときどきの数値を把握することができる。画像はステアリングを切ってる状態
■Race Gauge 問い合わせ先
インパルス 神戸市西区南別府1-14-8 TEL 078-939-9516
Photos/小林克好,編集部 Text/塚本剛哲