『FUJI 86・BRZスタイル 2022』から話題のトピックス&新作パーツレポート

2022/09/05 07:05

『FUJI 86・BRZスタイル 2022』話題のトピックス&新作パーツレポート

 

Text/西川昇吾

 

 

7月24日、富士スピードウェイで『FUJI 86・BRZ  STYLE 2022』が開催された。86・BRZオーナーにとっては毎年おなじみのイベント。今年も全国から多くの86・BRZが集まり、会場は大いに盛り上がった。ここではイベントでのトピックスをリポートするとともに、REVSPEED読者が気になるであろう新作パーツをピックアップして紹介。新型GR86・BRZを中心にチューニングのトレンドを探っていく。

 


 

ステージやコース、そして広場でさまざまなコンテンツが行われた。その中でもいちばんのニュースといえるのが10周年記念車の発表。GR86は最上級グレードRZをベースに、初代カローラレビンTE27をオマージュした特別専用色のフライムオレンジが設定されるほか、内装もオレンジのアクセントが加えられている。

 

 

BRZは定番色であるWRブルーパールの外装色で、エンブレムやドアミラーを標準モデルとは異なるブラックでコーディネートし、内装にブルーのアクセントが加えられている。そしてGR86・BRZどちらも10周年記念ステッカーやドアトリム刺繍などがあしらわれる。

 


 

パレードランには150台が参加

 

イベントではレーシングコースでのパレードランが行われた。GR86・86・BRZ、そしてAE86と車種ごとに集合し、2列隊列でレーシングコースを走行。最後は各車パッシングをしながらホームストレートを通過した。

 

 


最新パーツをピックアップして紹介

 

ここからは新型GR86・BRZ向けの新パーツ情報を紹介。出展ブースで新作として目立っていたのが吸気系のアイテムだ。マフラーが各メーカーから出そろった状況であるいま、新型GR86・BRZをよりパワーアップさせるには、吸気系チューニングとセットで組み合わせるのが有効といえそうだ。

 

 

BLITZ

 

ブリッツでは新型GR86・BRZ向けにファンネルにクーリングシールドを備えた『ADVANCE POWER AIR CLEANER』などをリリースしているが、新たに吸気系アイテムとして『CARBON INTAKE SYSTEM』が加わった。

吸気量増大と吸気温度低下を目指したこのアイテムはフロントバンパー開口部の左右からフレッシュエアを取り込む構造となっていて、効率的にエアを導けるように内部構造も左右からの空気干渉を少なくするようにこだわっている。また、それに伴いエアフロの位置も効率を求めた場所へと変更されている。これにより、低回転域での扱いやすさはそのままに、鋭いレスポンスとハイパワーを実現。テストでは9.3psと9.4Nmのパワー&トルクアップを確認できたそうだ。ノーマルECUがそのまま使えるのも嬉しいポイントと言える。価格は税込み21万4500円。

 


TRUST

 

トラストからはフレッシュエアを取り込むアイテムとして、『GReddy ダイレクトエアインテーク』が登場。純正のエアインテークダクトと交換するタイプで、バンパー裏に吸気口が隠れている純正品と比べ、バンパー開口部まで大型化した形状となっている。大型化しているのにも関わらず軽量なPP素材を使用し純正品よりも300g軽量化、内部の凹凸も可能な限り少なくして吸気抵抗を抑えている。また、純正のエアクリーナーボックスに対応しているほか、リーズナブルな価格設定(税込み2万9700円)となっている。その他、TRUSTでは新型GR86・BRZ向けのニューアイテムを各種開発中とのことで、秋頃を目途にこれまでの空冷式よりもリーズナブルなオイルクーラーの販売を検討中。またコンピューターの解析も進めて、さらなるハードチューンへの対応もしていくそうだ。

 

 


APEXi

 

APEXiもフレッシュエアを取り込むアイテムとして『INTAKE D CFRP Plus』(11万8800円)をラインアップ。サイドからエアを取り込む構造となっているのが大きな特徴。ピークパワーよりも低回転と中間域でのトルクアップを狙ったアイテム。また、先代モデルでもラインアップされていた『SUPER SUCTION KIT』(2万900円)を新型GR86・BRZでもラインアップ。このふたつを装着すれば中間域でのトルク&レスポンス向上が見込める、ストップアンドゴーが多いミニサーキットなどでは大きく戦闘力アップが見込めるだろう。その他APEXiではエキゾーストマニホールド(37万1800円)も販売されている。吸排気系すべてをコンプリートしたいユーザーにとっては必見。

 

 


LEG MOTORSPORT

 

広島に拠点を構えるLEG MOTORSPORT。マツダ車チューニングのイメージが強いが、86・BRZにも先代から力を入れている。新型GR86もいち早く入手し、各種開発を進めている。先代でラインアップしていたフレッシュエアを取り込むハイパーインテーク(税別2万6000円)やセンターチャンバーパイプ(税別5万9000円)などをリリース。開発中なのはエアロパーツ関係で、こちらは秋頃発売を予定している。

 

 


ガレージベリー

 

さまざまな車種で機能的なエアロパーツを展開しているガレージベリーはGR86向けのエアロパーツを新たに開発。前後左右をカバーするエアロパーツをラインアップ。全体的に純正パーツに被せて装着するタイプだが、いままでガレージベリーが培ってきたノウハウが活かされている。フロントのグライドリップスポイラー(FRP:7万7000円 カーボン:16万5000円)はカナード一体型となっていて、高速域でのハンドリング性能向上にも期待が持てる。各アイテムFRP製とカーボン製が用意されている。

 

 


 

プロコンポジット

 

スーパー耐久や富士チャンピオンレースなど実戦で採用されるエアロパーツを手掛けているプロコンポジット。新型GR86・BRZ向けのエアロパーツもすでに展開しているが、その中でも新しいパーツがこのスワンタイプGTウィング(GFRP:16万5000円)だ。SUPERGTなどで普及しているスワンネックタイプのステーを採用しているほか、パーツ構成の見直しにより部品点数を削減し軽量化を実現している。こちらは先代86・BRZ向けにも用意がされている。

 

先代モデル用も用意。全く同じではなく翼端部の形状を変更している。

 

 


FUJITSUBO

 

既に新型GR86・BRZのマフラーとして左右2本出しストリート向けA-R(15万7960円)を販売しているFUJITSUBOだが、5月からより高性能を狙ったA-RM(13万3100円)がラインアップに加わった。展示車両にはA-RMが装着されていた。

 

A-RMはA-Rに比べてよりパワー志向で高回転で伸びを重視した仕様となっていることと、ノーマルに比べて4.8kg軽量に仕上がっていることが特徴だ。また、実戦での活躍もこのマフラーの大きなポイントといえるだろう。今シーズンから車両が新型になり、命名も新たに「GR86/BRZ Cup」へと変更されたレースでは、プロフェッショナルシリーズは一部パーツの変更が認められている。マフラーもそのうちのひとつだが、開幕戦では39台中19台の参加車両がFUJITSUBOのA-RMを装着。そしてトップ10のうち6台がA-RM装着車だった。実戦での結果からもこのA-RMのポテンシャルの高さがうかがえる。

 


ORC

 

小倉クラッチでは新型GR86・BRZの登場に合わせて新たにメタルシングルクラッチを新発売。先代モデルとトランスミッションは基本的には同じであるため、従来のラインアップのアイテムを装着することは可能となっているが、排気量拡大によるトルクアップに対応することを目的にラインアップに追加された。これまであったメタルシングルよりも対応トルクが大きく(340Nm→450Nm)、メタルツインよりもリーズナブルな価格(13万8600円)であるため、従来のラインアップの隙間を埋めるアイテムと言える。現状新型GR86・BRZユーザーよりも、過給機チューニングを施した先代モデルユーザーからの需要が高いとのこと。ハイチューニングを施しているユーザーは必見のアイテムだ。