SUBARU/STI新型BRZスーパーGT参戦車両シェイクダウン取材会で、根掘り葉掘り聞いてきた
小澤正弘 総監督が説明する新車両の改良点
「これまでに気になったところ、もうちょっとこうしたら、というところを手を加えております。それはサードダンパーの位置とドライサンプのオイルタンクです」
「従来はフロントのサードダンパーの位置が、(ターボ関係のパイピングのため)センターにありませんでした。これをレイアウトを変えて、サードダンパーをセンターに持ってきています」
「さらに、ドライサンプ用のオイルタンクが、従来はドライバーの頭の後方で、まさに頭上より高い位置にあった。重たいものが、重心の高いところにあったのです。これを、エンジンルームに移設しています。細かいところなんですが、我々がやりたかった形に仕上げたところを、見ていただきたい」
「さらに、ドライバーが操作する、ハンドルスイッチなども、クリック感などひとつひとつこだわって改良しています」
と、ここでエンジン始動。暖気からピットアウトの様子を以下の動画でチェックしてください。
(コース走行動画はないのであしからず)
新型BRZのスーパーGT車両のメディア取材会にて。ピットでの暖気運転からピットアウトの様子です。
シェイクダウン走行ではピットインを繰り返す。
井口卓人選手は何のセッティングをしていたのか?
シェイクダウン取材会において、主にステアリングを握っていたのは井口卓人選手。ピットインを繰り返していたのだが、何をセッティングしていたのか?
「最初はエンジンのチェックをやりながら、富士を全開で走ったときのフィーリングを伝えていました。
完全な新車ということで、剛性感が上がっているので、いい意味でもあるけれど、それが硬めに出ていました。路面の凹凸とか、縁石とかに対して、すごくクルマが暴れるところがあるので、減衰も弱めて、バネも柔らかい方向を試したりして、クルマの姿勢をどこがいい状態なのか探っているところで、いまは柔らかい方向を試してみました」
やっぱり新車おろしだと、剛性はすごく高いんですか?
「ダンパーもオーバーホールしてまだ動きがしぶかったりとか、いろんな要素が重なって硬めに出ていたので。それをいかに今までのフィーリングに戻しつつ、限界を上げていくかをチームとやっています」
BRZのフォルムが新型になって、操縦性に影響はありましたか?
「初めてパッと乗ったときき、昨年よりダウンフォースがちょっと増えているな、という感覚はありました。そこを活かしながら、限界値を上げていきたい。フロントが下がったぶんが効いているようですね」
総監督が変わりましたね
「実績のあるひとなんで、まったく心配ありません!」
井口卓人選手だけでなく山内英輝選手(右)にも、新車両について聞いてみよう
サードダンパーの位置変更は、操縦性にどのような好影響がありましたか?
「前までターボの配管が通っていて、サードダンパーを理想の位置に付けれなかった。それで設計上ずれていたんですが、それを中心に持ってくることで、ブレーキングのスタビリティとか多少よくなるんではないかということで持ってきていいます。
ただし、それまでその位置に合わせて設計されていたので、劇的によくなる度合いが高いというわけではありません。でも、少しずつでも、改善されているんだと思います」
BRZがライバル車両に比べて、レースで有利な点は?
「水平対向エンジンによる重心の低さで、ロールが少なかったり、それに起因するクルマの高い安定性が、いちばんの武器かなと思ってます。中速から上の域、高速コーナーとかBRZが一番得意としているところだと思います。エンジンパワーある車両が有利のコースもあるでしょうが、それ以外のところでは勝てるように頑張っているところです」
シェイクダウン取材会は無事に終了。最後にチームの記念撮影が行われた(下記はその際のフォトギャラリーコーナー)。
2021年のスーパーGT第1戦は岡山国際サーキットで4月10〜11日に開幕する。唯一、活躍するスバル車、新型BRZの活躍を応援しよう! (※STIの車載ライブ配信は、とても興味深いですね)
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