【REVSPEED創刊30周年記念企画】世界に誇る日本のチューニング『RG-O 大住 拓』編
2021/01/06 11:48
- CATEGORY : コラム 創刊30周年記念インタビュー
RG-O
![RG-O](https://revspeed.jp/wp-content/uploads/2021/04/30th_2011_36_01.jpg)
創業20年を超えても、走りを楽しみながら速さに結びつけていくという大住代表のプライベーター精神は変わらない。サーキットにも頻繁にカスタマーとともに出掛けていく
楽しさありきの『人車一体感』を追求
それによって得られる『安定の速さ』
チューニングやセッティングにチューナーとして取り組むだけでなく、自らがカスタマーに手本を示すかのようにドライバーを務め、サーキットを走り込む。つねに等身大を貫くのがRG‐Oの大住拓代表のスタイルだ。
通常サーキットを走らせるデモカーといえば自社の技術力を速さでアピールするために突き詰めた仕様に仕上げられがちだが、同社のデモカーについて、コンセプトを聞けば、必ずといっていいほど、『楽しさ』や『安定感』といったキーワードが出てくる。
一例を挙げれば、S2000のタイヤチョイスがわかりやすい。タイム狙いなら、前/後255幅や265幅といったサイズ選択が主体になるが、同社ではフロント245/40R17、リア255/40R17という組み合わせ。コントローラブルなハンドリングがもたらす恩恵にこだわっている。
![RG-O](https://revspeed.jp/wp-content/uploads/2021/04/30th_2011_36_02.jpg)
自らデモカーのステアリングを握り(プロドライバーもテストで活用)、速さだけでなく走りの楽しさにウエイトを置く。つねにユーザーありきでハード&ソフトの双方からサポートするHONDA車チューナーだ。ここでは、そのこだわりのルーツやチューニングに対する考え方に迫る
「クルマ好きなプライベーターからの延長線上でRG‐Oをオープンさせて20年以上が経過しましたが、カスタマーと一緒に走りを楽しむというスタイルはまったく変わっていません。当時からホームtoサーキットをスローガンに掲げていましたので、ナンバー付きのストリート仕様が大前提ですし、特定のステージに特化したセッティングよりも、人車一体の楽しさを追求。そうすれば速さは自然についてくると考えています」
![RG-O](https://revspeed.jp/wp-content/uploads/2021/04/30th_2011_36_03.jpg)
いまでこそチューナーとして広く名を知られているが、大住代表はもともと「走ってはセッティングを変えて」を繰り返して独自にノウハウを築き上げていたプライベーターだ。免許取得後にEP71スターレットでワインディングを楽しんでいた際に、EF9シビックのコーナリングの速さに魅せられて、軽量コンパクトなEF8 CR‐Xへとスイッチ。ストリートからミニサーキット、そして憧れだった鈴鹿と走行ステージを高めていき、その情熱とテンションの高さで、実家のガレージからRG‐Oをスタートさせている。
「鈴鹿に通っている中で感じていたのが、改造範囲の限られたN1規定でパフォーマンスを発揮している、レーシングガレージのノウハウと技術力の高さ。でも、当時は一般ユーザーお断りといった雰囲気で、敷居が高かった。なので、レーシングガレージのノウハウと技術力がありながらも気軽に訪ねていけるショップを理想にしました。RG‐Oすなわちレーシングガレージ大住の由来です」
![ASM YOKOHAMA](https://revspeed.jp/wp-content/uploads/2021/04/30th_2011_36_04.jpg)
探究心で引き出していく走りの最適解
フットワークありきで取り組むイメージは強いが、RG-Oはパワーアップのノウハウも豊富だ。ただし、モアパワーを追求するのではなく、ベースエンジンの素性を高めていくフィール優先のアプローチがモットーだ。スペックに特化するとパッケージバランスが崩れるからだ。
![ASM YOKOHAMA](https://revspeed.jp/wp-content/uploads/2021/04/30th_2011_36_05.jpg)
創業から変わらないチャレンジ精神
創業時は草レースやタイムアタックに没頭し、10周年をきっかけに公式レースにも参戦。EG6で参戦した鈴鹿クラブマンではシリーズチャンピオンやコースレコードも獲得している
チューニングもドライビングもすべてを手掛け、もちろん、ひとりよがりにならないように、プロドライバーや第三者からの指摘も柔軟に受け止めることで、さほど年月を重ねることなく、その理想には近づくことができた。
また、創業当時は筑波スーパーバトルに参戦し、レブスピードにショップとして紹介されることが目標だったが、それもすんなり1年ほどでクリアしている。
S2000、FD2/EK/EGシビック、DC5/DC2インテグラなどのホンダ車をさまざまな仕様に仕上げてサーキットで走らせる。そんなカカスタマーが口コミでカスタマーを呼び、RG‐O発信のホンダ車の楽しみ方が伝播していく。走ることを止めても、いまなお通い続けるカスタマーが多いのは、ともに楽しんできたからだろう。
![RG-O](https://revspeed.jp/wp-content/uploads/2021/04/30th_2011_36_06.jpg)
モアパワー追求ではなくフィールを優先
フットワークありきで取り組むイメージは強いが、RG-Oはパワーアップのノウハウも豊富だ。ただし、モアパワーを追求するのではなく、ベースエンジンの素性を高めていくフィール優先のアプローチがモットーだ。スペックに特化するとパッケージバランスが崩れるからだ。
![RG-O](https://revspeed.jp/wp-content/uploads/2021/04/30th_2011_36_08.jpg)
「楽しさ」を分かち合うためのオリジナルパーツも多数そろえる
市販パーツで納得できない場合は、独自の製品を開発する。初のオリジナルパーツとして生み出したB型エンジン用エキゾーストマニホールドは4-1集合ならではのパワーフィールに中間トルクも添えるべく手曲げ製作。その高性能から、いまでもオーダーが続くロングセラーだ。エナペタルやIDIなど、その情熱に共感するサポートメーカーも多い。
それなりに経年劣化しているものの、基本性能の高さからリーズナブルに走りが楽しめるという点で、ホンダのライトウエイトスポーツを推奨してきた大住代表。市販パーツを徹底的に吟味し、納得いかなければ、オリジナルでパーツをつくり、タイヤなど、周辺アイテムに進化があれば、迅速に取り入れて、それを踏まえたうえでの『楽しいメニュー』を提案する。大住代表の探求心は尽きない。
レーシングガレージ大住
京都府京都市北区大宮西山の前町7-2
TEL 075-491-6719
https://rg-o.com
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