【REVSPEED創刊30周年記念企画】世界に誇る日本のチューニング『DRIVER’S CAFE FOREST 小笠正範』編

2021/01/06 11:46

DRIVER’S CAFE FOREST

DRIVER'S CAFE FOREST

自らが体験してきた失敗や、怖かった体験があるからこそ、安全にモータースポーツをいつまでも楽しんでもらいたいという小笠正範代表。チューニングとスポーツの融合を提案する新たなアプローチを模索している


楽しくサーキットを遊んでほしい
その手伝いをするショップがやりたかった

『ドライバーズカフェ・フォレスト』というちょっと変わった名前の店を営む小笠正範代表。チューニングショップではなく、かといってモータースポーツの楽しさを説くが、競技専門店でもない。ドライバー同士が集う店としてドライバーズカフェが付けられている。
開店して18年。もともとは農機具メーカーに勤務から実家の土建業者を手伝い、バスの運転士を経て、チューニングショップで経験を積んで独立した。
ドライバーとしては18歳で免許を取ってから24歳までは、いわゆる埠頭や峠ひと筋。クラッシュをする人を目の当たりにしてきた。そこで安全なサーキットへ友人を連れて行くようになる。その姿勢はいまも同じ。現在はもちろんストリートを飛ばすこともなく、地元の交通安全指導協会の会長、西日本工業大学学生フォーミュラと自動車部の総監督。さらには航空自衛隊自動車部の相談役も務める。

DRIVER'S CAFE FOREST

「クルマを飛ばしたいなら安全なサーキットで、モータースポーツとしてやってほしいというのが願いです。そして、そのサーキットは、クルマでスポーツをするための神聖な場所。そういう場所だからこそ、どう振る舞ったらいいのかわからないこともあると思います。そんな皆さんのために堅苦しくなく、サーキットを楽しめるアドバイスができる場としてフォレストを始めました」と語る。
だから、パワーアップチューンをいきなり薦めることはまずない。壊さないためのオイル類のチョイスに始まり、安全で運転しやすいポジションの構築、しっかりとしたブレーキと足まわりの製作が基本的な順序。それからサーキットを楽しむためのマナーを培ってほしいという。
「ジムカーナやダートトライアル、ラリーなどのB級ライセンスで参戦できる競技は他車との関わりは基本的にありませんが、サーキット走行やレースとなるとそうはいかない。まわりの人を配慮して譲り合う精神がないといけない。それは譲れということではなく、必要な場面では引く、抜けるところでは綺麗に抜くということ。そういったお互いに尊重し合う精神があれば、接触も起きません。いまの日本人には、そういった引く精神が足りなくなっているのではないか、と思うこともあります」

DRIVER'S CAFE FOREST

普段はオートポリスをメインに走るフォレスト86ATだが、2020年12月には「筑波スーパーバトル」にも参戦。ほぼノーマル仕様ながら1分7秒846マーク。もちろん小笠代表が自らドライブ。価格が落ちてきた前期モデルのATをベースにしたモータースポーツを提案するための遠征だ

JAF加盟クラブ「フォレストレーシング」も主宰する小笠代表。もともとはレースオフィシャルでプロドライバーなどの走りを間近で見られるのが最も勉強になるという思いからクラブを立ち上げたが、現在ではオートポリスでクラブ員が積極的にレースに参加している。
そこで最新の提案は86/BRZのAT車によるレースとサーキット走行だ。価格が100万円を切ってきた前期AT車をベースにすることで、コストを抑えられる。ビギナーでもシフトミスがないので、オーバーレブでエンジンを壊す心配もない。スポーツATなので走りにストレスはなく、速さも遜色なく耐久性も十分。

PROSHOP SCREEN

エンジンはレギュレーションに沿ってインテークパイプの交換や、オイルクーラーが付いている程度でほとんどノーマル。デフは油温上昇を抑えるべくトラストの大容量デフカバーを装着。L.S.D.はMT車と同じように装着できるのでFRのAT車は楽しみやすい

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サスペンションはクスコをベースにオリジナル仕様を使うことが多い。デモカーでもストリートゼロAをベースにバネレートをF&R:12kg/mmにセット

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レース用ロールバーが装着され、水温、油温、油圧などのメーターを装着するが、快適装備はそのままのコックピット。シフトノブからもAT車であることがわかる

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タイヤはDIREZZA β02。サイズは205/55R16。ワンメイクレース用サイズなので超ハイグリップラジアルの銘柄が豊富で、いろいろ選べて楽しめるのが魅力

『ゴールドカップ AP86』では、ガズーレーシングの86/BRZレースと同じタイヤというルールで、マフラーやサス、LSDなどの変更が可能。好みのチューニングカーで参戦でき、AT車も増加中。チューニングカーで楽しめるレースとして小笠さんも参戦。2021年はさらなる盛り上がりが期待されている。

ドライバーズカフェ・フォレスト

福岡県京都郡苅田町京町1-4-5
TEL 093-434-0077
http://d-c-forest.com/






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