【REVSPEED創刊30周年記念企画】世界に誇る日本のチューニング『MOTOR SPORTS HASHIMOTO 橋本和信』編

2020/12/25 18:18

MOTOR SPORTS HASHIMOTO

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文字どおり、ランエボだらけというショップの佇まい。しかもこの日はほぼすべてエボXという状態。仕様はノーマル車からチューンド、競技車両までさまざま。もちろん、ベース車探しから相談に乗ってもらえる

ダートトライアルという過酷なモータースポーツの場において、歴代ランエボを愛機に地区戦で20回ものチャンピオンを獲得。ランエボマイスターとしての確かな実績と、ポテンシャルをフルに引き出す技術力の高さから支持を受けるのがMSHだ


つねに購入者目線を忘れることなく楽しく走れるクルマづくりを提案

40年という長きにわたり、ダートトライアルに参戦。そのうち20回もの地区戦チャンピオンを獲得。全日本戦においてもたびたび上位に名を連ねるなど、現在なお現役ドライバーとして活躍を続けているのがモータースポーツハシモト(以下、MSH)橋本和信代表。
「昔はモータースポーツといえばラリーかダートラしかなくてね。最初の頃は2〜3回、シリーズを獲れたらよいかなと思ったけど、気づけば随分長い間、走ってきたものです。それでも、自身の中で100点の走りができたと思えたことは数回だけ。全日本のトップランカーになるためには、それが毎回できなきゃダメ。まだまだ上には上がいるし、何十年やっても、なかなか上手くならないねぇ」。
そんな橋本代表が愛機としているのがランサー・エボリューション。92年発売のエボ1から最終型のエボXまで、すべてのモデルを経験。実戦の場を通じ、その進化の過程をシビアな目線で見極めてきた。これほどまでにランエボにこだわり続ける理由とは。

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橋本代表は改造車クラスの最強であるD部門に参戦中。同時にモータースポーツの振興にも取り組んでおり、九州地区の主戦場である福岡県福津市のスピードパーク恋の浦にMSHエボⅠの試乗車を用意し、月1〜2回のペースで行われる練習会時に体験走行の場を設けている

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優勝カップやトロフィーは数知れず。今年は全日本のシードゼッケンを獲得。「来年で還暦ですが、集大成のつもりで頑張ります!」と橋本代表

「まず丈夫だということ。三菱のクルマは軽自動車も含め必要以上(笑)にタフ。これは競技車のベースとして、とても大事な資質といえます。性能面では中低速のトルクの強さ。ダートラはピークパワーよりフルターン後のゼロ加速など、低回転域からのレスポンスのほうが重視されます。それから、電子制御が不要に邪魔してこないのもエボのよさ。最近のクルマはスペックの数値的な性能は優れていても制御メカが満載で、本気で攻める仕様をつくるには、それらを外すだけでもお金が掛かる。これに対し、ランエボはまだその介在の度合いが低い。エボⅨのRSグレードなんてABSさえ省略されています」。

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バリスのワイドフェンダーやハイマウント化されたボルテックスのGTウイングで武装したエボⅧ-MR。エンジンは東名のキットで2.3ℓ化され、ECUはLINKに変更。MSHの常連車両で、今回はタイヤサイズを285から295にアップグレードさせるために入庫

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こちらはドレスアップ的な要素もキッチリ押さえられたエボⅩ。タービンはHKS-GTⅡに変更。足まわりはブリッツZZ-R DSCで、スプリングをサスペンションプラスUC01に変更。レートはフロント14㎏/㎜、リア12㎏/㎜という設定。タイヤは235/40R18サイズのファイベックス051A

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現在急ピッチで製作作業が行われているエボⅩ RS。エンジンはクローズドデッキ加工を施したブロックにマンリーのピストンを組み込んだ2.2ℓ仕様。ブレーキはエンドレスのレーシングMONO6GT、タイヤはゴールドの包装で届けられる265/35R18のファイベックスGerumウルトラを装着予定

ちなみに、歴代モデルの中で橋本代表のいちばんのお気に入りは? との問いには「もちろん、クルマとしての設計がいちばん新しいエボX」と即答。ただし、それはダートラで使用する場合の話であって、サーキットではウエイトの重さに加え、よく動き過ぎる足の特性もネックになることもあるという。何より、昨今のスポーツカー人気の影響による価格の高騰が気になるところだと語る。
「若者でこれからクルマを買って、モディファイを楽しみたいという人にはエボXは高過ぎ。車体を買うだけで予算が終わっちゃいます。とはいえ、ひとつ前のエボⅨやⅧもやっぱり高値安定の傾向。そこで注目したいのがエボⅦ。ランサー・セディアベースのエボⅦは、外観のデザインが大人しいこともあってか、人気は低めで現在のところプレミアみたいな値段もついていません。GSRもRSも5速のみという設定も好都合。エボの6速はトラブルの原因になりやすく、ウチでも6速からの5速化はポピュラーなメニューです。タイム向上に有効なACD(アクティブセンターデフ)が装備されているのもポイント。街乗りからサーキットまでオールラウンドに楽しみたい人にとって、エボⅦはとっても賢い選択になると思います」。

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こちらは純正クラッチに調整機構を加えるための作業。乗り手の好みに合わせたミートポイントの設定を可能としている。地味な手法ながら、ドライバビリティの向上には効果絶大

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エボⅧ MRにエボⅩ用電子スロットルを移植した例。制御はLINKで行われている。このように、純正パーツの特性を活かしたモディファイも得意とする

このように、費用的な負担が大きい過剰なチューニングを避け、あくまでスキルに適した長く続けられるカーライフを提案していくことも、MSHが長年守って来た信条。ショップオリジナル的なパーツもあえてつくることはせず、市販パーツの組み合わせを徹底的に吟味。そこに長年の経験から培われた「隠し味」を加えることで、ひとりひとりのニーズに適した1台を仕上げている。実際、店頭にはエアロやホイールなど、思い思いに手が加えられた常連ランエボ乗りの姿が多く見受けられた。そんな若者たちの兄貴分であり、橋本代表をサポートするMSHの若頭が「ギュー店長」こと、牛島店長。ショップの創業当初はモータースポーツ色を前面に押し出していたが、ストリート派購入者にも間口を広げ、クルマ好きが気軽に立ち寄れる雰囲気づくりができたのは、店長の力によるところが多いという。

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ピットにはつねにランエボの姿が。もちろんハード指向チューニングだけでなく、日常的なメンテナンスやマイナートラブル対策など、あらゆる作業に対応

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MSH平日朝の風景。カウンターの奥に小さく見えるのが牛島店長。ここでクルマ好き同士の友達の輪を広げる人も多いという

「ウチはたむろするのをダメとはいわないです。用事がなければ一日中、居てもらって構いません。ここでの出会いをきっかけに友達になった人も多い。土日はそんな常連達で駐車場がいっぱい。中にはギュー店長が社長で、私は裏方のオジサンと思っている人もいたりします(笑)。でも、それでいいんです。いつまでも旧い人間が表立ってあれこれいうのはよくないし、私もチューナーなんて呼ばれる気はありません。それは本当のチューナーに対して失礼。私はたまたま、数多くのランエボに接してきただけですから」。
ランエボに、そしてモータースポーツに興味がある人への手厚いサポートは、多くの若者が集う光景が象徴している。充実したカーライフの実現へ。橋本代表はその期待に応えてくれる。

モータースポーツハシモト

熊本県熊本市北区植木町内173-1
TEL 096-277-1811
https://motorsporthashimoto.com/






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