【REVSPEED創刊30周年記念企画】世界に誇る日本のチューニング『RAYS VOLK RACING』編

2020/12/25 17:39

RAYS VOLK RACING

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1996年に誕生したVOLK RACING TE37は、絶えず進化を遂げながら、鍛造スポーツホイールのベストセラーに君臨し続ける。そして、その技術力の高さはF1、WEC(ル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権)、スーパーGT 500および300クラスといったトップカテゴリーで証明されている。ここでは、そのプロデューサーを務める山口浩司さんに、ブランドのポリシーと戦略、築き上げてきたノウハウの一端を聞く。それこそ、『Made in Japanの真骨頂』である


進化し続ける6本スポーク『TE37』は『最新こそ最良のボルク』を示す象徴

『高性能をより身近な価格ですべての人に』というコンセプトで生まれた鍛造・軽量・高剛性スポーツホイールのボルクレーシングTE37は、いうまでもなくベストセラーであり、ロングセラー。
「デザインのためのデザインはしない。細部まで意味あるつくりに徹している。ポルシェやロレックスがフィロソフィを曲げない、変えられない……という事情と同じですが、伝説にはなりたくないので、最新のボルクが最良であるべきというモットーで、絶えず進化させています」と、プロデューサーの山口浩司さんはいう。

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スーパーGT500用ホイールに見るレーシングホイールの進化

山口さんは500用ホイールに2016年より携わり、17年モデルから本格的に関与。17年のAF-17はリムの肉厚を増しているが、18年のAF-18では薄くして、しかし、コの字型にすることで剛性を高めた。それが、20年のAF-20ではH断面に進化している。2020年のレギュレーションサイズはF:18×12.0J 40、R:18×13.0J 52。それに合わせたスポークの傾斜や緩やかなRもストレス軽減に配慮したものだ。

その進化の一端を語るのに、スーパーGT500用のレーシングホイールを用意してくれた。周知のとおり、2020年のGT500はDTM(ドイツツーリングカー選手権)と同じ『クラス1』レギュレーションが導入され、トヨタ、日産、ホンダのレース車両はレイズRW‐GT500 AF20を履いて開発テストが進められた経緯がある。そして、それを履く♯23 モチュールオーテックGT‐Rは第3戦で優勝を飾っている。
「6本スポークは開口部が60度×60度×60度の正三角形になり、応力のバランスに優れています。TE37の設計思想はレースホイールにも市販モデルにも、それが貫かれています。ただし、レースの世界は移ろいが早い。ホイールがちゃんと仕事して、フロントはシャープに、リアは懐が深い動きになって、ドライバーを安心させる、タイヤのタレを少なくするなどの効果も得たい。そのためにキャンバー剛性数値を上げていく努力をしています。6本スポークは一方で、コンタクトパッチが均一になりにくいというデメリットを抱えています。その点もカバーして、前述の数値を上げていくために、スポークを短くしていって、60度を立体的にしていきました。また、アウターリムの剛性も高めていきました。剛性のためにスポークを分厚く、開口部は小さく、その分、重くなるのは減肉で……というような最新の解析技術を駆使しての高性能化は市販モデルにも、どんどん適用しています。スポークも緩やかなRでつなぐほうがストレスは掛からない。それも共有できるノウハウです」(山口さん)

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TE037 6061はDURAの超々ジュラルミンをA6061アルミ素材に置き換えて開発され、2018年にデビュー。こちらは最新の限定モデルREDOT 2020

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旧車に人気のディープリムはTE37Vのテリトリー。より軽量のSLも追加された(1920 LIMITEDは15-16インチ、2021 LIMITEDは17-18インチ)

バリエーションの広がりもTE37の特徴といえるだろう。それぞれにラインアップされるサイズも含めて「そういうのが必要なはず」という、市場をくまなく回る山口さんの判断で、次から次へとつくられていく。
本流のスポーツ系は2010年に軽量化を突き詰めたSLが登場。新たな解析技術を用いた新世代モデルも、2014年のウルトラを皮切りに、サーガ、ソニックと、矢継ぎ早に出てきた。旧車にはディープリムのTE37Vがあり、さらに、それらからの派生モデルを挙げればキリがなく、ここでは書けないが、次の展開も決まっている。そして、ボルクレーシング全体を見渡せば、ZE40やCE28などの、TE37と肩を並べる高性能シリーズが存在するのだ。
軽自動車もN‐ONEやコペン、アルトワークスやS660が出てきて、鍛造ホイールが求められるようになり、TE37 KCRが生まれた。ハイエースやSUVにも、それぞれ適した機能とデザインを盛り込んだTE37SB、X、XT、ウルトラ・ラージPCDなどが受け入れられる。

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15×6.0Jで3.7kgという、それまでの常識を覆したTE37は1996年に登場。25周年を来年に控え、その15インチが新しい金型でリニューアルされる

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ハイエースやNV350にさり気なく履いて、高性能を味わうコンセプトのTE37 SBは17×6.5Jで約7.5kgという軽さ。写真は最新のREDOT 2020

山口さんに、スポーツホイールの今後を聞いてみる。
「Z34で証明された19インチのアドバンテージが、タイムアタックでは、スープラやWRX STIにも活かされるでしょう。面圧が掛けやすいので。ヤリスGR‐FOURは18×8・5Jと、265幅のタイヤを履く前提で、攻めた18×9・5Jを最初に設定。ちなみにS耐車は9・5Jのインセット40です。市販車は8・5Jか9・0Jで、インセット35~40が無難ですが、オススメは8・5Jのインセット30。そして、履かせてみたいのは235/35R19に8・5Jインセット38あたりです。2021年以降、86/BRZやフェアレディZ、WRX、BMW M4などの新型車も出てきます。それらにも新たなアプローチを考えています」
先進の技術とプロデューサーの先見の眼、そして、すべてを自社内で賄える小回りの利く体制。ボルクレーシングの、レイズの強さはそこにある。

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1998年に登場したTE37 MAG(右)はGTで使用されていたマグネシウム、2017年のTE37 DURAはA7075超々ジュラルミンが素材で、ともにレジェンド

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2014年のultraから始まった新世代TE37群。SONIC(左)は15-16インチの4穴で、SAGA(中)は17-18インチ、ultraは19-20インチを受け持つ

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さらに軽量化を突き詰めたTE37 SLは2010年のデビュー。SL化の波は新世代モデルにも押し寄せ、TE37 SL SONIC(右)がすでにラインアップされている

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軽自動車にも鍛造が求められる時代、人気を誇っているのが、専用設計のTE37 KCR。TE37 KCR 2020はマットレッドとブラストブラックの2色が用意される

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ランドクルーザーなどのハイパワー4×4やSUVに履かせるTE37 ultra LARGE P.C.D(左)と海外トラックカルチャーに対応するTE37 XT(右)

レイズ

TEL 06-6787-0019
http://www.rayswheels.co.jp/






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