GR86で長期レポート ENDLESSのM4&M2システムインチアップキットⅡ 重量増を抑え、制動フィールと保護性能をバリューにアップ!

2026/05/29 11:41

 

GR86で長期レポート ENDLESSのM4&M2システムインチアップキットⅡ

重量増を抑え、制動フィールと保護性能をバリューにアップ!

 

 

 

「もう少し連続周回したい」「もっと早く冷えてほしい」でも「バネ下重量と費用は抑えたい」サーキットを走る、そんなGR86/BRZユーザーの悩みに応えるのが、フロント4POT/リア2POTのこのキット。編集長つかポンがGR86で1年間、使ってのレポートをお届け!

 

スポーツラジアルではほどよい容量増放熱性能も期待どおり

 

数あるエンドレスのブレーキシステムの中で、ベーシックなポジションにあるのが『M4&M2システムインチアップキット』だ。フロント4POT、リア2POTのキャリパーにフロント326㎜×30㎜、リア316㎜×20㎜の1ピース・インチアップローターの組み合わせ。

 

 

そして、そのフロントローターを2ピース(326㎜×30㎜のサイズは変わらず)にアップグレードさせたのが『システムインチアップキットⅡ』で、それによる制動力/耐熱性/放熱性/軽さのアップが10万円ほどの価格差に反映。すなわち、税込み価格が前者は57万3100円、後者は68万7500円となっている(2026年5月現在)。

 

 

 

フロントキャリパーは2ピースタイプでフロントにふたつ、リアキャリパーにひとつ備わるピストンの配置はご覧のとおり。いずれも全体的に軽量コンパクトな設計がなされている。

 

 

 

ベルハウジングとディスクに分かれるフロントローターは多ベーン化がなされている。リアローターは1ピースだが、こちらも独自の熱処理とスリット加工、多ベーン化が図られている。

 

 

 

ブレーキパッドは当初SR01を使用。とくに不満はなかったが、ドライバーが120バールぐらいの踏力を掛けられるスキルがあるのと、タイヤが235/40R18のADVAN NEOVA AD09との組み合わせということで、もっと効かない方向で、リリースコントロールを重視。

 

途中からフロントCC32、リアNA01に変更。いずれもサーキットコンパウンドシリーズに属する製品で、前者は踏力を必要とし、ブレーキを積極的にコントロールするタイプ、後者はGR86の車両事情に合う、控えめな効きという特性だ。ブレーキフルードはベストセラーのRF-650を使用。

 

 

 

編集長つかポンのGR86に、この『システムインチアップキットⅡ』を装着したのは昨年3月。MCRで取り付け作業を行ったが、そのときの模様はYouTube REVSPEED Channelで公開中。

 

【動画】MCR流キャリパー&ローター取り付けと当たりづけ

https://youtu.be/nagPChJJHmM?si=c52SYz-GdQOAkpMP

 

装着後、富士スピードウェイ・レーシングコースでベディング(当たりづけ)を行う。その模様もYouTube REVSPEED Channelで公開中だ。べディングは最大約80バールの踏力(一般のドライバーであれば8割ぐらい)で、3回ストレートを通過。

 

ちなみに、つかポンはその時点で自己ベストを1秒2も更新してしまった。コントロール幅が広く、荷重コントロールがしやすくて、どのコーナーも曲げやすく、立ち上がり加速を稼げたのが原因といえる。

 

ストッピングパワーは必要にして十二分で、ペダルタッチもカチッとしていてナチュラル。その剛性感のあるダイレクトな踏み応えは特筆ものだ。これは好きな人が多いだろう。前述のとおり、コントロール性に優れ、バネ下重量増も抑えられているので、そこでのマイナス要素もない。

 

いったん冷やして、次の走行枠で3周連続アタックを行い、2周クーリングしてピットに戻ったが、そのときのローター温度は200℃以下に下がっていた。純正キャリパー&ローターでは、富士スピードウェイを2周アタックしたら、大事を取ってクーリングラップを挟んでいた。それでもローター温度は300℃ぐらいあったので、キャリパーのピストン周辺におよぼすダメージを大幅に軽減できるようになった。

 

後日、筑波コース1000にも持ち込んだ。蘇武喜和テスターに、フルブレーキよりやや緩めのブレーキが多い、このサーキットでのインプレをお願いする。

「ペダル剛性が高く、踏んだ分だけ止まって、リリースコントロールにも優れる」とのこと。さらに、「前後の効きのバランスのよさも制動距離の短縮や旋回へのつながりに貢献している」というコメントだった。

 

そのあともサーキットを走って、とくに不満はなかったが、「いまの踏力(120バールぐらいは掛けられるようになった)なら、もっと効かないパッドにして、リリースコントロールしやすいほうがよいのでは?」ということになり、ENDLESSとMCRのススメで、前述のとおり、フロントCC32、リアNA01という組み合わせに。

 

富士スピードウェイや鈴鹿サーキットで試したが、それまでのSR01よりも強く踏む必要はあるものの、タッチは硬過ぎるわけでもなく、踏み込んだ分だけリリース幅が広がって、より一層、荷重コントロールがしやすくなった。サーキットでの印象は1年経ったいまも変わらない。パッドも減らなくて、定期的にフルードの交換を行うことで、違和感なく使えている。

 

 

 

日常ドライブもごく普通。最初にあった鳴きもサーキットを2回走ったら消えた。冷えた朝も最初から止まり、噛みつき感がまったくないので、スマートに走ることができる。こちらは使い込んでからの画像だが、色褪せなど経年劣化感が少なく、ローターの摩耗もさほど進んでいないのがわかる。

 

予算に余裕があれば、もっと上のキットも魅力だが、『必要にして十二分』のコストパフォーマンスに優れたキットといえるだろう。ルックスも知的で気に入っている。

 

 


■エンドレスアドバンス TEL 0267-67-0535 https://www.endless-sport.co.jp/

■MCR TEL 04-7199-2845 https://mcr-ltd.com/

 

Photos/堤 晋一,小林克好,宮越孝政 Text/塚本剛哲






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