TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup クラブマンレースRd5.富士 挑戦記〜ダンロップ・アドバイザーから ZIII CUPの使い方を聞く〜

2025/07/31 11:21

TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup クラブマンレースRd5.富士 挑戦記

 

 

ダンロップ・アドバイザーから

ZIII CUPの使い方を聞く

 

レブスピード編集部・佐藤が、GR86/BRZ Cupクラブマンレースに参戦することになった。9月7日に富士で開催される第5戦に向けて練習を開始したが、まるでうまく走れず悶々とする日々。そこで、達人にアドバイスを請うことにした。

 

Photos/ 奥隅圭之 , 遠藤樹弥  Text/ 佐藤和徳

 

 



DIREZZA ZIII CUP

クラブマンレースは、Z III CUP(215/45R17) が指定タイヤ。予選は新品スタートが条件で、 決勝もそのまま使用するのがルール。

 

 

タイヤの特性を知り
それを活かして走る

 

『クラブマン』というものの、出場するメンツや、上位陣の驚愕タイム、激しいレース展開と、凄まじ過ぎるのがこのレース。そこに挑むのは、もはや厳しい修行といえなくもないが、それを選んだからにはひとつでも前のポジションで走りたい!

 

  しかし、練習を重ねてもなかなかタイムアップにつながらないので焦る毎日が続いている。車両やタイヤが同一条件のワンメイクレースだけに、その道具をうまく使いこなせないと速く走れない。そこで、達人に速く走るためのコツを教えてもらうことにした。2023年のクラブマンのシリーズチャンピオンである松井宏太選手だ。まずはタイヤの特性と走らせ方について聞いた。

 


ダンロップ・アドバイザーの松井宏太選手


クラブマンの 2023 年シリーズチャンピオンである松井宏太選手。この年は兄のプロクラスの松井孝允選手とともに、兄弟で同時ポールポジションを獲得したことも。 ダンロップ・アドバイザーとして、クラブマンのエントラントにレクチャーも行っている。

 


松井宏太選手のDIREZZA ZIII CUPドライビングアドバイス

 

「このZIII CUPは構造もコンパウンドも一般のZIIIとは変わっています。しかし、もともとのZIIIのロングライフな特性は引き継いており、クラブマンにはありがたいタイヤといえるでしょう。ロングライフといえど、ニューは1発のタイムが出ます。夏場は1周、気温が低い時期の富士なら2周はいけます。その後のグリップの落ち幅もゆるやかです。

 

特性として、縦のグリップは強く感じられて、減速Gでは高いケース剛性も実感できます。横から縦にグリップが掛かっていくところが、いちばんニュータイヤのおいしいところ。アクセルONで蹴り出す立ち上がりの場面です。

 

しかし、進入では、縦から横へのGの移行で突っ込み過ぎてしまうと、過荷重の負荷でタイヤが倒れてしまう。これはどんなタイヤでも、クラブマンにはよくあることです。ケース剛性も表面グリップも負けてしまいます。それでは曲がってくれません。

 

その対策としては、タイヤに必要以上の荷重を掛け過ぎないことと、進入のきっかけをつくってからは、『待って』ターンインしていました。荷重移動してロールし始めても、クルマがググッと出口に向きが変わるにはタイムラグがある。すべてのコーナーで、『待てる』かが、タイムアップのカギです。待つことで向きが変わることを覚えましょう。

 

脱出に向けて向きが変わって、そこからアクセルを踏む時に、いちばん蹴り出しがよくて、そこからまっすぐ脱出できる、いちばんタイムを稼げる地点にアプローチすることで、ZIII CUPのグリップのよさを感じることができます。

 

進入での過荷重で『タイヤを倒してしまう』対策として、空気圧を張ればいいですかって?  いや、確かに表面グリップはあるのですが、そこから逃げたときに面圧が高いとピーキーになってしまう傾向があります。やはり、倒れるのは、荷重を乗っけ過ぎです。対して、リアはアクセルで曲げているため、自分で早くタイヤを倒して、あとは限界ですべらせて落ち着かせているイメージです。

 

空気圧は予選は高めの2.1kg/cm²くらいでスタートして、ピットに戻ってきて2.4kg/cm²くらい。レースでは上がっても2.2kg/cm²ですね。コールド内圧も、前後左右差もつけてスタートしていました。レースの組み立て方にもよりますが、前半で勝負するなら内圧高めのスタートでもいいですが、低いほうが後半のラップがいいですね」

 


チャンピオンの走りをコピーできるのか?

 

このようなアドバイスをもらいつつ、ショックの番手を教えてもらうばかりか、頼み込んで松井選手の富士のポールポジション車載映像を見せてもらった。もはやアンチョコ状態なのだが、これで松井選手の走りをコピーできるのか? そして、次回はそのレースの結果をお伝えする。果たして‥‥‥。

 

 


Racing GTC02 for GR86/BRZ CUP  カラー:Dark Copper

 

ホイールもレース指定部品からのチョイスとなる。エンケイからリリースされている2タイプを装着する。 GTC02 For GR86/BRZ Cup は、2×6 本のスポークデザイン。軽量はもとより高いブレーキ放熱性を発揮する。

 



NT03RR for GR86/BRZ CUP  カラー:White

 

スポーク間をつなぐ特徴的なブレースリングを採用するNT03RR For GR86/BRZ Cup。ホイー ルの捻れ、撓みを大幅に低減し、ステアリングレスポンスの向上を実現している。

 

 

ENKEI レーシングCRナットも装着 。貫通タイプで 、高耐久のSCM435鍛造製(スチール)だ。

 


ブレーキパッドも指定部品からの選択となる。次回は、アドヴィックスのブレーキパッドから、タイプ別の走行インプレを紹介する予定だ。

 


タイヤ組み替え、サスセッティング、アライメント調整などの作業は、ワンメイクレースのノウハウも豊富なガレージ 19にお願いしている。

 

 


■アドヴィックス https://www.advics.co.jp/

■エンケイ https://www.enkei.co.jp/

■ダンロップタイヤ https://tyre.dunlop.co.jp/

 

 

取材協力/ Garage19 MACHIDA 東京都町田市根岸 2-1-5 TEL042-793-4050 https://www.garage19.jp/

 

 

 

 






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