HKS GATEオリジナルの車高調サスキット『HIPERMAX GATE SPEC』は狙いどおりの仕上がりか? 体感試乗会より生の声をお伝えする!
2023/12/15 12:00
- CATEGORY : ニューパーツ
HKS GATEオリジナルの車高調サスキット
『HIPERMAX GATE SPEC』は狙いどおりの仕上がりか?
体感試乗会より生の声をお伝えする!
HKS×スーパーオートバックス浜松×A PITオートバックス東雲の合同プロジェクトでは、HKS GATEオリジナルの車高調サスキットを開発中だ。
ネーミングは『HIPERMAX GATE SPEC』。第1弾はGR86用で、東京オートサロン2024にて発表予定となっている。
開発ドライバーは木下みつひろ。ストリートでの気持ちよさ、乗り心地 、疲れにくさにとことんこだわり、安心や安全の向上につなげる。そのうえで、サーキットも「走ってみようかな」と思わせる仕上がりを目指している。
試乗車はスーパーオートバックス浜松のGR86。タイヤは 235/40R18のPOTENZA RE-71RSを使用。車高は HIPERMAX S の基準値
ストリートや袖ヶ浦フォレストレースウェイなどでのテストを重ねてきて、仕様はほぼ完成状態に。そこで開かれたのが『HIPERMAX GATE SPEC』の体感試乗会だ。
木下みつひろが運転するGR86の助手席で、そのサスキットの狙い、真価を実感できる。ここでは、スーパーオートバックス浜松で開催された試乗会から、体感者の生の声をお伝えする。
完成仕様とは、どんなスペックなのか?
HKS 開発部 サスペンション開発課 矢部健司さんに聞く
「今回の試乗会に持ち込んだのは完成スペックです。HIPERMAX Sをベースにしており、スプリングレートは Sと同じで、フロントが5kg/m、リアは6.5kg/m。スプリング長も同じで前後170mmです」
「ただし、Sとは前後ダンパーの減衰力を変更。木下みつひろさん、スーパーオートバックス浜松の鈴木英二さん(写真左)、A PITオートバックス東雲の小野祐介さん(写真中央)から意見をいただきつつ、オリジナルで独自に設定した減衰力になっています」
「GATE SPECは専用の特徴もあります。それはキャスター角です。ピロアッパーは Sと同様にキャンバー調整ができますが、GATE SPECは取り付け位置を少しオフセットしていて、キャスターが1度ほど寝る方向になる専用のアッパープレートが備わります」
「そしてスプリングの下にある樹脂シートのインシュレーター。車高調整をスムーズにしたり、バネの回転を滑らかにする機能があります。これがオートバックスさんのコーポレートカラーのオレンジで、これも専用品になっています。ラベルも通常のSと違って専用のラベルを採用しています。
完成して改めて「どんな人に使っていただきたいか?」をお伝えさせていただきましょう。
開発のコンセプト通り、安全、快適、でも速いという、普通だと相反する部分をなんと両立してしまったという物凄いスペックになっているんです。
そのため、Sを検討されていた方も一度こちらをお試しいただきたいですし、初めて車高調を購入する方、サスペンションにあまり興味なかったという方にもぜひ紹介したい。
入門者ではないけれど、これからいじっていきたいという人にもおすすめですし、一方で『サスペンションをさまざま試してきた』というコアな方にも満足できるセッティングが施されています。幅広いカスタマーに日常ユースで使っていただきたいと思っています。
そしてサーキット走行まで楽しめるので、凄いワイドな使い方に対応しています。多くの人におすすめできるサスペンションになっていると思います」
最終仕様に至るまでのポイントは?
レブスピードでは9月末に袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われたテスト走行の模様をお伝えした。その後、木下はどのようなポイントを改良してきたのだろうか?
「フロントについては、袖ヶ浦に行く前からワインディングや高速道路などいろんなシチュエーションでテストして、減衰力調整が最弱から最強まで、走りの確認が取れていました。袖ヶ浦でも手直しがなく、よさが発揮できたんですね。
リアについては、ストローク量が肝になりました。袖ヶ浦ではハイスピードコーナリングや、その領域での路面のうねりを通過する。そこでリアのストローク量を少し増やしながら、減衰力も乗り心地が悪くならないようにボリュームを上げたとこが最大の改良ポイントです。
袖ヶ浦での限界走行で路面のうねりを通過するときの追従性をしっかり見れたことによって、高速道路をはじめ全体のレベルがすごくよくなっています。その後に大きく進化した点ですね」
今回はほぼ完成状態というところで試乗会を行っている。改めてHIPERMAX GATE SPECをどんな人に、どんな風に使ってほしいのか?
「開発において、想定ユーザーをはっきりさせていました。GR86を新車で買ったカスタマーが、『車高を落としてかっこよく乗りたい』『だけどノーマルのように何も気兼ねなく走れる、路面追従性のいいアシがほしい』ことを望んでいる。そのイメージから、方向性が決まっていったんです。
それに、ぴったり合う仕様になってるんです。『俺のノーマルのアシよりいいね』って、試乗した方がコメントしていました。ノーマルを超えるような乗り心地のよさ、路面追従性のよさを確保できたことを自負しております。
それに加えて、先日は筑波サーキットをハイグリップラジアルで走らせてきましたが、十分にパフォーマンスがあることを実証できたんです。
そういう意味で、幅広いカテゴリーの方々に使っていただけるサスキットになりました。ミニサーキットなどライトチューンで走っている方々に、凄くぴったりマッチする足まわりだと思うんです。サーキットでスポーツドライビングを楽しみたい、でも街乗りは快適に使いたいっていう幅広いカスタマー層にぴったり合うアシと思います」
GR86用 HIPERMAX GATE SPEC
体感試乗会からのコメント集
一般路だけでなく高速道路まで使った体感試乗会。ドライバーは木下で、助手席で乗り心地やフィーリングをチェックする。木下が減衰力調整も行なうことで、その走りの違いも実感できた。
試乗Aさんの感想
木下
「いちばん最初は軟らかい減衰力の、27段戻しでストリートを走ったのですけど、どんな感じでしたか?」
試乗Aさん
「本当にノーマルの感じの軟らかさで、車高調サスキットを入れての? みたいな感じでした。でも、しっかりしているのは実感しました」
木下
「そこは苦労したところです。今度は高速道路に乗る前に、筑波サーキットで1分3秒台が出たぐらいの硬さにしたのですけど、その硬さはどう感じましたか?」
試乗Aさん
「やっぱりスポーツカーになったという印象を受けたんです。でもそんなにゴツゴツした感じはなくて安定していましたね」
木下
「高速道路の上下のピッチングも穏やかだし、フラット感があったと思うんですよね」
試乗Aさん
「極めてよかったです。本当にスポーツカーに乗ってるなって感じの味でした」
木下
「GR86がグレードアップしたようなイメージで」
試乗Aさん
「乗っていて楽しかったです」
試乗Bさんの感想
木下
「軟らかいときと、硬いときを体感してもらいました。軟らかいときは、どんな感じでしたか?」
試乗Bさん
「乗り心地がめちゃくちゃよくて、軟らかいだけじゃなくて安定感がものすごくて。本当に楽しみながら乗り心地も重視されていて、すごいバランスが取れたものだなと」
木下
「最強から3段戻しまで硬く調整したんですけど」
試乗Bさん
「硬いほうもバランスがよくて。純正と比べて硬いのはわかるんですけど、段差とか越えた時に嫌な感じがしないで、挙動からしてすごくいいですね」
木下
「高速道路はどうでした?」
試乗Bさん
「姿勢が安定していて無駄な挙動がない。安心感が伝わってきます」
試乗Cさんの感想
木下
「最初は最強30段から27段戻しの軟らかさでストリートを走行しましたが、乗り心地はいかがでしたか?」
試乗Cさん
「乗り心地は普段の感じと変わらなくて、ほんとに車高調なのかな? なみたいなところが実際はありました」
木下
「決してフワフワしてない?」
試乗Cさん
「全然してないです」
木下
「それから高速道路に乗りました。その前に筑波で1分3秒台を出した仕様の硬さまで減衰力を調整したのですが、その時のフィーリングはどうでしたか?」
試乗Cさん
「高速に乗っても硬さを変えたって感覚はそんなにないのですが、コーナーで全然ブレないんで凄いと感じました」
木下
「コーナーに入ってく時に、下りでもフロントに変なロールもなく、リアが持ち上がる感じもなく。水平でコーナリングしていくみたいなイメージだったと思いますよね」
試乗Cさん
「もう車高調キットなのかって、思っていたのと全然違うっていうか‥‥‥」
木下
「こだわりました(笑) 。さっきもずるいといってました。これ乗っちゃったら、もうダメだよねって」
試乗Cさん
「このイベントはずるいです(笑) これ乗せちゃったらもう買うしかないでしょみたいな(笑)」
木下
「そのぐらい今回は感動していただきました。ありがとうございます」
試乗Dさんの感想
試乗Dさん
「自身のクルマはノーマルの足まわりなんですよ。とにかくガタガタしてびっくりしちゃってて。それで今日はこちらのクルマの助手席に乗ったらすごく安定していて、これはいいなと思いました。高速で縦揺れがないんですよね。フラットな感じで進んで、加速時も減速時もバタつきがなくスッと曲がるんですよ。最高ですね」
木下
「そこを狙って動きを少なくして、なおかつ追従性もよく、乗り心地をよくという、相反するセッティングをしているのが伝わってよかったです」
試乗Dさん
「あとロールがすごく安定していますよね。高速に入ると、コーナーで吹かし込んだ時にアクセルに対してガクッとならずにスッと行くんですよね。理想のサスじゃないですかね」
木下
「こんな形だったらいいよねみたいな、感じですよね」
HKS GATEオリジナルの車高調サスキット『HIPERMAX GATE SPEC』(GR86用)は、2024年1月に発売予定。予価29万4800円(税込み)にて予約受け付け中だ。
そして、「第3回 HKS HIPERMAX GATE SPEC体感試乗会」が開催される。助手席でその乗り味を実感できる絶好の機会となる。
・日程:3月9日(土)、10日(日)
・場所:スーパーオートバックス サンシャイン神戸 兵庫県神戸市東灘区青木1-2-34 TEL 078-435-6006
https://www.woow-kobe.com/
GATE SPEC開発ドライバーの木下みつひろが来店予定。デモカーのA PIT GR86、SA浜松のGR86も展示予定。
■ HKS GATE HAMAMATSU(スーパーオートバックス浜松) 静岡県浜松市中区小豆餅 4-16-1 TEL 053-476-2180 https://minkara.carview.co.jp/userid/592092/blog/
■ HKS GATE TOKYO BAY(A PIT オートバックス東雲) 東京都江東区東雲 2-7-20
TEL 03-3528-0357 http://www.apit-autobacs.com/