藤田エンジニアリングがテスト中!OS技研の6速シーケンシャルミッション『OS-FR6』
藤田エンジニアリングがテスト中!
OS技研の6速シーケンシャルミッション『OS-FR6』
Photos/稲田浩章,清水良太郎 Text/村田純也
チューンドFD3Sの今後を占う
6速シーケンシャルトランスミッション
エンジン、フットワーク、ボディと、つねに最良・最速を目指したアップデートを重ね、筑波スーパーバトルに挑む藤田エンジニアリングのFD3S RX-7「アフラックスGT3」。エアコン&ナビ付きでありながら、筑波58秒台をマークしている完成度高き車両だ。
その注目車両がいまテストしているのは、OS技研のOS-FR6。現状はプロトモデルだが、600psオーバーのチューンドFRをターゲットに開発が進むシーケンシャルドグミッションとなっている。
「これまで7速モデルのOS-FR7を使用していましたけど、500psオーバーのアタックユースでは強度不安が残ります。そこで、開発が進められているOS-FR6のプロトモデルを投入しました。
5速直結にオーバードライブを加えた6速モデルなのでサーキットからストリートまでカバーできますし、トランスミッションの強度の不安が払拭されれば600psだって狙っていける。チューンドFDの可能性を大きく広げられるかどうかに関わるキーアイテムですね」(藤田エンジニアリング 藤田儀晴代表)
なお、今回の撮影を行った岡山国際サーキットではマイナートラブルが発生したためテスト中止となってしまったが、事前にセントラルサーキットを走らせていた阪口良平選手によると「素早いシフトワークはもちろん、クロス化されたギア比でパワーバンドを外さない。レーシングカーのシーケンシャルミッションほど硬くなく、ほどよい手応えでスムーズにシフトできますね」とのこと。
なお、藤田代表はOS-FR6によって不安要素が解消されたと判断。アタックシーズンに向けて新たなポート形状のテストをスタートさせ、ハイオク仕様での600psを狙っていく。
OS-FR7、OS-FR5とリリースされてきたシーケンシャルミッションシリーズに加わる予定のFR6。プロトモデルと行ってもシステム自体は完成されていて、現在はFR5で進められているアップデート(ギアの表面処理改良)の検証結果待ちだ。順調にいけば今夏〜秋にかけての正式リリースとなる。
「切削後に熱処理を加えて仕上げられるギアが、その際に焼き歪みが生じて円に見えても実際は変形している。目視でわからない変形でも歯当たりの悪さによる対応馬力低下やギアノイズ発生といった部分につながるため、OS-FR5は焼き歪みを緩和して面粗度を向上させる研磨処理追加のアップデートを検証中。そのため、システム的には完成しているOS-FR6もOS-FR5のアップデート効果を投入すべく、リリース待機となっています。OS-FR5のアップデートモデルを搭載した車両がFDJ2に近日参戦するため、走行後に分解チェックして問題なければOS-FR6も正式リリースとなる予定です」(OS技研 何森行治社長)
OSのシーケンシャルミッションにはオプションパーツにFD3S用ベルハウジングが用意されている。ダイレクトレリーズなどの関係でボルトオンとはいかないが、小加工でシーケンシャル化を果たせる注目ミッションだ
タイムアタックオンリーなら800ps&80㎏-m対応でD1やフォーミュラDといったドリフトシーンから支持を集めているOS-FR5もありだが、ストリートユースも考えるとオーバードライブが必要。チューンドFDの懐深さを引き出すために藤田エンジニアリングはOS-FR6を選択した
トランスミッション強度も考慮して450〜500psでセッティングされることが多い13B-REW。タービンやポート形状の進化でモアポテンシャルが狙える環境となっているため、600ps対応のOS-FR6の登場が待ち望まれる
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