レーシングコンパウンドを採用しながらもリーズナブル!新鋭ブランド 5FIVE Xの実力を探る〜Gerun 051R試乗インプレ〜
レーシングコンパウンドを採用しながらもリーズナブル!新鋭ブランド 5FIVE Xの実力を探る
〜Gerun 051R試乗インプレ〜
ファイベックスのフラッグシップである『ゲラン051』は
タイムアタック等のサーキット走行をターゲットにしたスポーツタイヤ
性能向上が著しい最近のハイグリップラジアルタイヤ。しかし、ピークグリップが得られる温度域や、性能を発揮できる条件のシチュエーションが極端に絞り込まれていたり、ライフよりグリップを最優先させた設計となっていることも多く、ストリートユースとスポーツ走行の双方のバランスを1本で満たすことはなかなか難しいものである。
そこで注目してもらいたいのは、新鋭ブランドとなるファイベックスからデビューしたゲラン051Rだ。ラジアルタイヤでありながら、Sタイヤに近い性格を持つ。〝レースで戦うためのフラッグシップモデル〟に位置づけられており、ハイグリップなレーシングコンパウンドを採用。サーキットでタイヤに熱が入った時点で、最大限のグリップを発揮する。その高温域での連続周回でもタレや摩耗が少ないことが特徴だ。
しかし、高温域でのグリップのみ重視したハイグリップタイヤとゲラン051Rが決定的に違うのは、常温域でのストリートユースとバランスさせていること。低温でも十分なグリップを発揮させつつ、ロングライフ性を確保した設計となる。
高い負荷に耐えるトレッドパターン
センターに刻むグルーブラインで高いウエット性能を確保。両サイドに配置した稲妻のようなグルーブがネジレ剛性を発揮する。
トラクションとコントロール性を高めるべく鍛え上げたサイドウォール。ショルダー部のディンプル構造で放熱性を引き上げている
縦横ともにグリップ特性を最大限に引き出す5 シェイプグルーブ。アウトラップからグリップ力を発揮しながら熱ダレにも強い
トレットパターンも大きく負荷が掛かるショルダー部は大きな広いブロックで剛性を確保し、そしてセンターの頼もしい太いストレートグルーブが、ウエットでの高い排水性を約束する。
ハンドリングのリニアさや走りの安定性に欠かせないサイド剛性も余さず煮詰め上げ、スポーツタイヤへと要求されるスペックを満たした設計なのだ。
さらに見逃せないのはプライス設定。発売元の山添産業によると、「人気スポーツタイヤの実勢価格と比較するとゲラン051Rはほぼ半値」という。ちなみに発売元の山添産業は、タイヤ販売の業界でも40年以上の歴史を誇る老舗だ。
Gerun 051Rサイズラインアップ
235/40R17
245/40R17
255/40R17
245/40R18
255/35R18
265/35R18
285/35R18
ラインアップに関しても17&18インチでメジャーな走りのサイズを完全網羅しているので、性能と価格を突き詰めたコストパフォーマンスの高さは迷わず味わっておくべきだろう。
それでは、ゲラン051Rの実力を探るべく、岡山国際サーキットで阪口良平選手がテストドライブ。VAB WRX STIによる装着インプレッションをチェックしてみたい。
ハードに連続周回を重ねてもタレが少ない頼もしきグリップ力
テスト車両のVABは鮮やかなカラーリングで速さのオーラを感じさせるが、仕様としてはフルノーマル。タイヤサイズは純正の19 インよりインチダウンした245/40R18とし、市街地のみ走行した程度のフレッシュ状態でサーキットに持ち込んだ。
「路面温度は28℃でしたけど、ウォームアップできていないコースイン直後からでも前後ともにグリップレベルの高さが感じられました。足まわりがノーマルなのでVAB特有のアンダーステアによりスキール音は出るのですが、そこからフロントタイヤが外へ逃げていくようなゴリゴリ感は出ることなく、思った以上に曲がっていってくれる。また、タイヤ剛性も高くて、攻め込んだ際のハンドリングが極めてリニアでした。
驚かされたのは、これだけのグリップレベルでありながら周回を重ねていってもタレが感じられないこと。しっかりクーリングチューンできてないと、タイヤよりも先にエンジンがタレちゃうなといった感じ。これだけのパフォーマンスの高さでリーズナブルプライスという部分も評価できます」と阪口良平選手は語る。
ちなみに、サーキット周回後のタイヤにブロック飛びや著しい摩耗はいっさいなし。いきなり、ハイパフォーマンスと全方位のバランスの高さを見せつけた。
テスターは阪口良平選手。今回のテストは4 輪とも温間2.0kg/c㎡近辺に合せて走行。ただし、VAB特有のアンダーステアは感じられたので、前後の空気圧を変えることで、ステアバランスを変えるのも試してみていいという
市街地のみ走行したフレッシュに近い状態からサーキット走行を開始。連続周回した後もショルダーやセンターリブに偏摩耗やブロックの飛びはなく、均一な溶け具合だった
セミウエットでのグリップ感は?
別の機会に265/35R18 をFK8シビックタイプR に装着し、オートポリスをテスト走行した。当日はあいにくのセミウエット路面だったが、ドライブした谷口信輝選手は「コースイン直後からかなりのグリップを感じた」とその潜在能力を垣間見た模様
■問い合わせ先/山添産業 FIVEX 事業部 TEL0978-37-3804 https://www.5fivex.com