HKSの新生HIPERMAX Sに試乗! 驚愕の乗り心地とハンドリング GR86ターボとGRヤリスで堪能~
HKSの新生HIPERMAX Sに試乗!
驚愕の乗り心地とハンドリング
GR86ターボとGRヤリスで堪能

FLAT RIDE CONCEPTを謳い、東京オートサロン2026で発表された新生HIPERMAX Sを箱根のメディア向け試乗会でチェック。『快適で、頼り甲斐があって、よく曲がる』そんな味わいが得られる、つくり込みの秘密や、すでに人気を博しているHIPERMAX GATE SPEC(HKS GATE専売モデル)との違いについて、サスペンション開発課の矢部健司さんとレーシングドライバーの木下みつひろさん(GATE SPECに続き、アドバイザーを務める)に話を伺った。
Photos/宮越孝政.編集部 Text/塚本剛哲
【動画】HKS 新HIPERMAX S 箱根“全快”試乗(視聴はこちらから)
https://revspeed.jp/2026/03/62267/

試乗車はGR86ターボ仕様とGRヤリスGen2で、前者は255/35R18のADVAN NEOVA AD09、後者が265/35R18のADVAN APEX V601を履く。30段階減衰力調整ダイヤルは前者がフロント10段 リア8段戻し、後者は前後とも15段戻しでの走行となった。
いずれも粗い路面を含めて、タイヤやスプリングの動きをダンパーの減衰力が細やかに収束。じつに乗り心地がよい。そんなに減衰力がリニアに立ち上がるなら、うねったところや段差を乗り越えるとき、つまり、ピストン速度が高い領域はどうだろう? と思ったら、そこでは過度な強さにはならず、突き上げることなく、高い接地性を保ったまま、いなすように走ってくれる。

GR86ターボ仕様


GRヤリスGen2


ちなみに、GRヤリスは低速で粗い路面を通る際、収束がやや鈍い感じがしたが、矢部さんに聞いたところ、ボディ剛性が高いのとショートホイールベースが災いし、強めていくとその症状が出るという。もっとも、車速が50km/hぐらいまで上がると、それも消えて、気にならなくなる。
タイヤからのインフォメーションに優れ、グリップを身近に感じながらドライブできる。コーナーでは減速からターンインに掛けてのつながり感がたまらない。「タイヤをまずはグリップさせて……」なんてことを考える必要がなく、ずっと高い接地が得られているので、切れ目なくスマートに曲げていけるのだ。また、GRヤリスやWRX STIのようにアンダーステア傾向のクルマでも、GR86などのFR車同様にニュートラルに回頭し、リアがほどよく追従する感じも素晴らしい。この爽快な旋回性は特筆すべきだろう。
もっとも、それらは従来のHIPERMAX Sをベースに開発されたHIPERMAX GATE SPECでも得られていた特徴だ。しかし、同じ特徴を明確に異なるテイストで示してくれるのが、新生HIPERMAX Sである。
GATE SPECよりピッチもロールも少なく、その限られた幅の中でダンパーがよく動き、乗り心地のよさとスポーツ性能を高次元で両得している。FLAT RIDEは伊達じゃない。GATE SPECでもハイグリップタイヤに対応し、サーキットを安心して速く走ることができる。それは筑波スーパーバトルでも実証されていることであり、筆者もNDERCロードスターで体験済みだ。しかし、新生Sは少ない傾き幅でタイヤの接地性が高く、コーナリングの進入もボトムも立ち上がりも車速が高い。より一層タイムが狙えるというわけだ。
GATE SPECもそうだが、新生Sも従来のSからバネレートやオイルを変えていない。にも関わらず、そうしたテイストの違いを生み出せるのはなぜか? 矢部さんと木下さんに聞いてみた。
じわっとした動きの中で楽しめるコーナリング
前後のサスの『受け渡し』まで緻密に細かく調整

HKS サスペンション開発課 矢部健司
「従来のSも好評いただきましたが、もうちょっとしなやかにしたい、ゴム系部品の耐久性を上げたいということでブラッシュアップ。現状、持てる技術を最大限に活かして、守備範囲をよりワイドに広げました。
減衰力ダイヤルを締めていけば、サーキットでもしっかり動きを抑えた走りが得られ、緩めていけば、従来以上に快適な走りを体感できるようになっています。サスペンションは動いているけど、クルマの姿勢は抑えられている。そこはGATE SPECと異なる味わいで、しかし、GATE SPEC同様、ピストン速度の微低速域から減衰力がしっかり立ち上がることで得られる味わいです。
一方、高速域はバルブシムの剛性を下げることで、突き上げなどがないように仕上げています。サーキットでは縁石に乗っても姿勢が乱れません。コーナリングでは一連の動きを整えることが大事。切り取った感じではなく、できるだけ抵抗感が出ないように、滑らかさを重視しました。
進入から立ち上がりまで、じわっとした動きの中で楽しめる味つけになっていると思います。リアの追従性に関しては前後のサスの役割分担というか、『受け渡し』の部分を緻密に細かく調整した結果といえます。その『つながりのよさ』を楽しんでいただければ幸いです」
細かいところまで車種ごとに減衰力を詰めた
これぞ『ダンパーマジック』

アドバイザー 木下みつひろ
「減衰力調整ダイヤルを緩めても強めても路面追従性がよく、緩めてもフワフワにならず、強めても突っ張らない特性を得るために、車種ごとのジオメトリーやアームの仕様(ロードスターみたいにダイキャストか、86みたいにプレスか)などをはじめ、細かいところまで減衰力特性を合わせ込んでいます。
もちろん、車高を下げた状態で、乗り心地を損なわず、スポーツ性を高めて、かっこよく乗れるようにするのがコンセプト。GATE SPECも同じようにつくり込んでいますが、ピッチもロールもある程度あって、サーキットは“意外によく走れる”という感じ。
それに対して、新生Sはピッチもロールも少なくて、サーキットを“もっと積極的に楽しめる”というキャラです。滑らかで切れ目がないターンイン、回頭性や旋回性の高さ、これぞダンパーマジックで、ぜひとも味わっていただきたい」
新生HIPERMAX Sのかつてない走りを引き出す
さまざまなメカニズム

全長調整タイプの単筒式(ストラットはかつ倒立式)で減衰力30段階調整機構付き。オーバーホールや仕様変更可能で、3年6万kmの保証もついてくる。
「ストリートではより快適に」「サーキットではより楽しく速く」と守備範囲を広げた新生HIPERMAX S(発売予定リストと車種別価格はHKSホームページ参照)の真髄は車種ごとに合わせ込んだつくり込みだが、採用されたメカニズムについても紹介しておきたい。
新生HIPERMAX S(発売予定リストと車種別価格)
https://www.hks-power.co.jp/event/tas2026/pdf/HIPERMAX_S.pdf

アルミアッパーマウントはマットな質感のものに変更。基本は純正よりほどよく引き締めた強化ゴムタイプを採用しているが、一部車種では フロントにピロアッパーを採用しているモデルもある。

すべてを自社開発できるのがHKSの強みだが、スプリングにはレートの数値がプリントされるようになった。

スプリングとロアシートの間に挟むスプリングインシュレーターは色を変更。スプリングが回転しようとする力を逃がし、スムーズな伸縮を可能にする。

Dual PVS(デュアルプリロードバルブシステム)はピストン速度の微低速域の減衰力のリニアな立ち上がりと高速域での減衰力の抑制を両立。車種ごとのシムの組み方やガス室のガス圧が独特な特性をもたらす。また、WRニードルは減衰力ダイヤル1段ごとの明確な違いを実現。広い守備範囲に寄与している。


アドバンスドバンプラバーPlusは車種に合わせて最適な長さや形を選択。ほどよい位置でのナチュラルなバンプタッチに導き、スムーズな走りに貢献。

ダストブーツやスタビライザーリンクもアップデート。耐久性を高め、3年6万km保証の対象に組み込まれる。

ちなみにHKSではリニューアル記念キャンペーンを実施中。購入&WEB保証登録で、毎月抽選100名にHKSオリジナルグッズをプレゼント! 期間は2026年8月31日までだ。
【動画】HKS 新HIPERMAX S 箱根“全快”試乗(視聴はこちらから)
https://revspeed.jp/2026/03/62267/
■エッチ・ケー・エス TEL 0544-29-1235 https://www.hks-power.co.jp/



