アクセルオートがNAとターボ仕様でGR86/BRZの魅力を探求! 開発はセカンドステージへ!!
2024/04/02 14:09
- CATEGORY : GR86/BRZ
アクセルオートがNAとターボ仕様で
GR86/BRZの魅力を探求
開発はセカンドステージへ!
アクセルオートコーポレーションはZN8 GR86/ZD8 BRZのデビュー直後からデモカー2台体制で精力的にサーキットでのテストに取り組んできた。その走り込みの中で鍛え上げたオリジナルエアロパーツをGR86、BRZそれぞれに完成させている。
これまでは兄弟車の相違点も探るべく、空力とフットワーク主体のNAチューンで走り込んできたが、コンプリートカー販売やユーザーカーのセッテイングにフィードバックするためのデータ収集が完了したと判断。
GR86はFA24を大幅ポテンシャルアップさせるターボチューン化、BRZはNAチューンのままで軽量化といった異なるアプローチで、FRスポーツの魅力を引き出すための、セカンドステージに移行させている。
まずはHKS GTⅢ-RSをマッチングしてターボ化されたGR86だが、パワーチェックではタイヤスリップしつつも430ps&50㎏-mを発揮するという頼もしさ。ただ、トルクが大幅アップするターボチューンでは駆動系負荷が想像以上にきつく、現状はその実力の本領発揮とはなっていない。
「ターボ化したことによって十二分なポテンシャルは手に入れられましたけど、シェイクダウンで一基、筑波スーパーバトルでは二基のトランスミッションをブローさせました(苦笑)。最終的にはドグミッションが必要と考えていますが、まずはクラッチで少し逃げを作りつつGRクロスミッションでターボチューンが楽しめるのかを探っていきます」とは、GR86のステアリングを握った野元直人さんだ。
過給器チューンでの可能性を探るため、GTⅢ-RSでFA24をターボ化したGR86。なお、クラッチはORC・559DからORC・400ライトに変更してトランスミッションの保護を図ったが、岡山国際では特に滑りは感じなかったそう。ちなみにターボはブースト0.9㎏/㎠設定。オーバーシュートで1.3㎏/㎠。
過給器チューンで重要となるのがクーリングチューンだ。NAではDRLの対で十分だったが、ターボ化して走らせると水温が厳しかったため、ラジエター、オイルクーラーをセパレート化した。
トラクションを稼ぐためリヤウイングは少し斜め後方へオフセットしたが、基本はNAで熟成させた空力チューンのままでターボにも通用するかを確認していく。ラフにアクセルを踏めばパワーオーバーとなるが、まずは足まわりで対処予定だ。
「ターボ化したことで攻め込まずともタイムが出せるようになりましたし、ちょっとしたミスもポテンシャルがあるので楽にリカバリーできますね。駆動系やクーリングなど、過給器チューンの不安要素を払拭しながら熟成させていきます」(野元直人さん)
一方、内装の除去やエアコンレスなど、徹底的な軽量化に取り組み始めたBRZは、現状はガソリン満タン計測で車重1160㎏となっている。
軽量化が効くポイントを見極めつつ、バランスの取れた軽さ引き出しがテーマ。そのため、軽さだけ求めてクーリングパーツを純正戻しなどといったアプローチは考えていない。
「軽量ホイールやエアコンレスとしただけでも、ブレーキングやハンドリングなど軽さの恩恵はつねに感じられました。まずは1100㎏を目指しますが、一挙に仕上げるのではなく少しずつ軽さを引き出して効果を確認。カスタマーも真似できる軽量メニューを探りたいですね」とは、BRZのステアリングを握った朝日ターボさんだ。
ゆくゆくは2.5ℓ化も予定しているが、まずは熟成させた吸排気チューンに軽さを加えての速さを探求するBRZ。ポイントごとに軽量効果を見極めていくため、今回はノーマルバッテリーのままとしていた。
ZN8にはエアコンレスのブラケットが設定されていなかったため、ZN6用ブラケットを使用してコンプレッサーを取り外した。ベルト長も含めて、スポーツ走行時に問題が生じないかを検証中。
バネ下重量軽減を図るため、TWS・T66-Fをチョイス。ブレーキやクーリングパーツを純正に戻してワンラップに限定した軽さを突き詰めていく手もあるが、そうしたアプローチは考えていない。
リヤシートやカーペットを取り外し、第一段階の軽量化が図られたインテリア。FRPドアも視野に入れているが、安全装備としてロールケージを投入した際に重量増となるため思案中だ。
「軽量化は曲がる・止まる・走るのすべてに効果をもたらしてくれます。実際、いまは軽量化を進めている途中段階ですけど、ドライビング時に軽さをつねに感じられますね。その気になればカスタマーでも真似できる仕様で、走りに効く超軽量NAを目指します」(朝日ターボんさん)
2台のAIMロガーによる岡山国際での車速グラフから。赤がターボのGR86、青がNAのBRZだ。やはりターボはストレートでの加速に圧倒的な差が見られる。対して積極的な軽量化を施したNAのBRZでは、コーナーでのボトムスピードが高い!
大幅ポテンシャルアップを果たすターボ、そして超軽量を武器にするNAと大きく方向性を分けてスタートしたアクセルオートのセカンドステージ。つねに走り込みを重ねて熟成させるデモカーのデータをフィードバックしていくスタンス。ここからどのような進化を遂げていくのか、アクセルオートのGR86/BRZはタイムだけでなく仕様の変更内容や狙いからも目が離せない存在となっている。
そして、まだ計画段階ではあるものの、ターボ以外の過給器チューンも確認すべくS/C×ATのデモカーも製作予定ということだ。
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