筑波スーパーバトルGR COROLLAクラス密着レポート「CUSCO×POTENZA×佐々木雅弘」編

2024/02/01 13:19

筑波スーパーバトルGR COROLLAクラス詳細レポート

「CUSCO×POTENZA×佐々木雅弘」編

 


レブスピード11月号でお伝えしたCUSCO×POTENZA×佐々木雅弘、HKS×ADVAN×谷口信輝のタッグによるGRカローラのタイムアタック。

 

2023年12月6日に開催されたREVSPEED筑波スーパーバトルでは、さらにBLITZ×DIREZZA×蘇武喜和の組み合わせも加わり、注目クラスの走行となった。

 

各車1分1秒台をマークするだけに、GRカローラのポテンシャルには目を見張る。そして、タイムの裏側にある、各社のチューニングの指向にも注目したい!

 

ここでは当日の各車の模様や、タイヤ履き比べでのセクタータイムも含めて、密着レポートをお送りする。

 

本ページは、「CUSCO×POTENZA×佐々木雅弘」編だ。

 


クスコ GRカローラ RZモリゾウエディション

 

■車両重量1434kg■最高出力320㎰/6500rpm ■最大トルク42㎏-m/3500rpm ■ブースト1.9㎏/㎠ ■GROW Design ×フジツボ マフラー ■オートプロデュースBOSS ECU ■OGURA CLUTCH クスコ仕様 ■ クスコ L.S.D. RS(F 1way R 1.5way) ■クスコ スポーツTN_R(F 18㎏/㎜ R24㎏/㎜) ■クスコ ピロアッパー(F&R) ■クスコ リアアーム/メンバーカラー/タワーバー ■エンドレス ブレーキパッド TYPE R ■POTENZA RW007 (19×10.5J 35) (18×9.5J 42)  ■GR×GROW Design エアロパーツ フロント /サイド/リアアンダー/ウイング ■ブリッド XERO RS(運転席) ZETA Ⅳ(助手席) ■GRカローラ一部改良仕様 純正パーツ流用

 

 

2022年の筑波スーパーバトルに初投入

すでに1分2秒266をマークしている

 

クスコは2022年の筑波スーパーバトルに、このGRカローラRZモリゾウエディションを初投入した。その際のチューニングは試作TN_R車高調、調整式リアアームにピロブッシュ、前後機械式L.S.D.(純正トルセンから変更)、ブレーキパッド、GRとのコラボによる4WD制御など。タイヤには265/35R18のRE-12D TYPE Aを履き、佐々木雅弘選手の運転でタイムは1分2秒266に到達した。いきなりGRカローラベースの実力を魅せたわけだ。

 

1年を経たアップデートは、おもな部分ではバネレートの変更に、オートプロデュースBOSSのECUとGR×GROW Designのエアロが加わった。車両のディメンションと優れる4WDターボ。その相乗から「サーキットでは安定感が高くて乗りやすい」とクスコではGRカローラの素性を買っている。さらに本領を引き出し、タイム更新となるか?

 


エクステリア/インテリア

エアロはGR×GROW Design。リアウイングはサスチューンとあわせて、高い車速からのブレーキング時にリアの動きを収束させる効果が得られた

 

モリゾウエディションなのでノーマルが2名乗車。室内のチューニングはステアリング、バケットシートの交換程度

 


サスペンション

 

 

車高調サスキットは商品のクスコスポーツTN_R

バネレートを変更して装着

 

サスキットはサーキット対応のクスコスポーツTN_R。販売中の製品だ。減衰力調整は24段階で、伸び、縮みを個別に合わせられる。2WAY式である。

 

バネレートはキット標準のフロント16㎏/㎜・リア26㎏/㎜からフロント18㎏/㎜・リア24㎏/㎜に変えている。

そしてボディ、ブッシュ、リアメンバー、リアアームにもクスコの各種パーツが装着される。

 

セッティングの基本的な考えは、GRカローラがFF的な性格も見せるため、リアの姿勢を落ち着かせ、コーナーではフロント主導でクルマを引っ張る。出口に向かいはじめたら4駆の偉力でダッシュさせる。そんなイメージだ。

 

伸び縮み別の減衰力調整を活用し、フロント内輪の接地性やリアの安定性などを補正している。なおフロントのピロアッパーはキャンバー調整式

 

リアメンバーの取り付け部にメンバーカラーを挿入。GR86系と同じく、スポーツ走行でアライメントを適正に保つのに効果的

リアのアッパアームとロアアーム(フロント側)は調整式になっており、キャンバーとトーを細かく合わせられる

 


エンジン

 

エンジンルームはノーマル

ECUチューンでパワーを約10㎰上乗せ

 

 

エンジンは吸気系からしてノーマルだ。パワー系のメニューはGROW Design ×フジツボのマフラーと、オートプロデュースBOSSのECUチューンのみ。最少の手数である。クスコによるとブーストアップは最大1.9㎏/㎠掛かり、ノーマルから0.1㎏/㎠~0.2㎏/㎠上がっている。性能としては最高出力が約10㎰、最大トルクが約1㎏-m増えた格好だ。

 

ストラットバー、オイルキャッチタンクが備わる。ECUチューンの効果から、当日のタイムアタックでは車速の伸びが向上

 

 


タイヤ

 

 

タイヤはRE-71RSとRE-12D TYPE A

サイズはカスタマー向けに265/35R18と

今後の展開に285/35R19を用意

 

POTENZA RE-71RSの265/35R18。POTENZA RE-12D TYPE Aの 265/35R18と285/35R19。クスコが用意したタイヤは、すべてハイグリップラジアルだ。

 

タイヤの性格としてRE-71RSはリアルスポーツが掲げられている。RE-12D TYPE Aはグリップに優れ、タイムアタックやジムカーナでの使用を前提にしている。

 

GRカローラの純正タイヤサイズから、カスタマーのステップアップを想定し、265/35R18主体で試すつもりだ。

 

一方、RE-12D TYPE Aの285/35R19は純正や265/35R18に対して、30~40㎜大径になる。

 

参考に RE-71RSとRE-12D TYPE A、265/35R18での筑波のタイムに触れておこう。昨夏、クスコのデモカーは本誌の企画で筑波タイムアタックを行っている。RE-71RS(ユーズド)が1分3秒722。RE-12D TYPE A(ユーズド)が1分3秒671。但し、ECUやアーム類はノーマルだった。そして気温は30度以上、路面温度も50度を超えていた。冬の今回はいかに。サスセッティングはこのときの仕様を維持して挑む。

 

試したタイヤはRE-71RS 265/35R18(写真)、RE-12D TYPE A 265/35R18、RE-12D TYPE A 285/35R19。アライメントはフロントキャンバーが約2.5度。トーは旋回性に気持ちだけアウト

 

温度と空気圧を管理。前後の温まり方の違いから、リアの空気圧をフロントより高めてスタートしている

 


結果

 

タイヤ別タイム

 

RE-71RS 265/35R18 

タイム1分1秒950

セクター1:25秒290

セクター2:25秒663

セクター3:10秒997

最高速171.810㎞/h

 

RE-12D TYPE A 285/35R19

タイム1分1秒373

セクター1:25秒007

セクター2:25秒370

セクター3:10秒996

最高速170.374㎞/h

 

RE-12D TYPE A 265/35R18

タイム1分1秒504

セクター1:25秒217

セクター2:25秒295

セクター3:10秒992

最高速172.662㎞/h

 

タイムはRE-12D TYPE A 285/35R19が最速を記録した。RE-12D TYPE A 265/35R18、RE-71RS 265/35R18と続く。とはいえRE-71RSでも1分2秒を切り、速さが光る。すべてのタイヤが1分1秒台。佐々木雅弘は2022年のタイムを確実に塗り替えた。そして、結果をよく見るとRE-12D TYPE Aのタイムが興味深い。ふたつのサイズはセクター別のタイムが意外にも僅差だ。デモカーの現状では優位性はもしや、である。ともかくRE-71RSでもRE-12Dでも、タイヤサイズが違ってもタイムが出せる。愛車をつくるのに、クスコのGRカローラチューンは押さえたい万能な仕上がりだろう。

 


佐々木雅弘のコメント

「ブーストアップのエンジンはピックアップがいい。前より最高速も伸びた感じがしました。僕はショートシフトで走るので、6000rpm目安でいった。

 

クルマとしてはよく曲がり、RE-71RSで1分2秒が切れたのは素直に嬉しいですね。ストリートラジアルとしての性能が追求されていますから。

 

レースから生まれたRE-12D TYPE A。加速とレスポンスでは外径の小さい265/35R18がやはり優りました。走りが軽快です。285/35R19は大径なので余裕と乗りやすさがありますが、ちょっと重さが見られました。

 

比べてみて一長一短でしたが、この先エンジンパワーが増えれば、間違いなく285/35R19に分がある。でもラジアルタイヤで1分1秒台。285/35R19では1分1秒3。とても満足です。メーカーが徹底して開発したGRカローラ。結果として、その良さを発揮させることができました」

 


キャロッセ 長瀬 努代表のコメント

「GRカローラは凄くよくできています。適度なチューニングで、十分サーキットで遊べると思います。

 

なのでデモカーは車高調のバネレートもアライメントも、エンジンパワーも、そしてタイヤもストリート仕様の延長で考えています。

 

そのサスのセッティングは、昨年の夏に筑波を走らせたときから変えていません。佐々木選手は以前から動きのバランスがいいといっています。

 

すでに車高調クスコスポーツTN_Rをはじめ、各パーツは販売がはじまっています。タイムアタックですが、前日のテストでは1分2秒台でした。佐々木選手は1分1秒台に入る手応えがあると話していた。その通り、本番では全部の組み合わせで1分1秒台のタイムが記録できました。よかったですし、製品の開発につなげていきます」

 

 

 

 

 

 

■キャロッセ TEL027-352-3578 https://www.cusco.co.jp/

 

 






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