GRカローラRZとモリゾウエディションを佐々木雅弘がタイムタック!【REVSPEED筑波スーパーバトル】

2022年12月7日『34th REVSPEED筑波スーパーバトル』出走車両紹介

 

 

GRカローラRZとモリゾウエディションを

佐々木雅弘が筑波タイムタック!

 

 

今回のスーパーバトルでは、佐々木雅弘選手がGRカローラでタイムアタックした。それもトヨタのGR車両開発部が持ち込んだコマーシャルタイプ(市販量産モデル)で、チューニングカーのタイムアタックイベントで走ったのだから、前代未聞の出来事だ。グレードはRZとモリゾウエディションをタイムアタックした。

 

 

 

そして、タイムは‥‥‥‥‥‥

 

GRカローラ RZ

筑波サーキット ラップタイム  1’06.047
バックストレート最高速 171.466km/h
車両重量  1454kg
タイヤ ADVAN APEX V601    (F&R 235/40R18)
 

 

GRカローラ モリゾウエディション

筑波サーキットラップタイム 1’04.016 

バックストレート最高速 172.386km/h

車両重量  1417kg

タイヤ   PILOT SPORT CUP 2 (F&R  245/40R18)

 

 

 

GRカローラは、GRヤリスのパワートレーンを流用した兄弟モデルだが、ホイールベースが長く(GRヤリス2560mm→2640mm)、トレッドもフロント60mm、リア85mmのワイドになった。

 

車格が大きくなった分、車両重量もGRヤリス“High Performance”の1280kgに対し、GRカローラはRZが1470kg、モリゾウエディションが1440kgとウエイトは増しているが、その分、エンジンもチューニング。

 

同じG16E-GTSエンジンを搭載するGRヤリスは272psだが、GRカローラはRZが304psの370Nm。モリゾウエディションはブーストアップで400Nmにトルクアップ。とくに中回転域のトルクを高めることで加速性能を向上させている。

 

RZとモリゾウエディションでは、最高出力は304psと変わらないが、トルクが370Nmと400Nmと違いがある。ただし、ハード的な違いはなく、ECUのセッティングとブーストの設定の差だ

 

 

ボディもベースのカローラ スポーツ比で349点ものスポット増しをしたうえで、ボディ全体に使用する特殊な構造用接着剤の塗布箇所を2.7m延長。モリゾウエディションに関しては、さらに構造用接着剤を3.3m追加で塗布して、部品同士の結合剛性を向上させ、ボディ補強ブレースまで追加。スポーツカーにふさわしい、高剛性のボディが与えられた。

 

 

この高剛性ボディがあるからこそ、スーパー耐久レースに参戦している水素カローラで鍛えたエッセンスを盛り込んでも受け止めることができ、開発段階でも富士スピードウェイをはじめ、各地のサーキットを走り込み、ラリーフィールドやダート、雪道でもテストを重ね、スポーツカーとしてのカローラ復権に向けて、かなりつくり込みには自信があるとのこと。

 

そもそもGRカローラは、長いカローラの歴史の中でスポーツの系譜が途切れてしまったことを嘆いたトヨタの社長であり、マスタードライバーでもある豊田章男氏が、スポーツブランドとしてのカローラを復活させたいという強い願いから開発がスタートしている。

モリゾウエディションも、速くて安定感があるだけでなく、野性味を持ったクルマに近づきたいというモリゾウさんの思いから用意された仕様。

 

RZが日常からサーキットまでこなせるスポーツカーだとすれば、モリゾウエディションはRZを鍛えながら、野生の牙を尖らせた仕様。リアシートを撤去し乗車定員を2名と割り切り、約30kgの軽量化を実現している。さらに、1~3速のクロスギアレシオ化、ファイナルギアもローギアード化し、加速力とギアのつながりを重視した。タイヤもワンサイズ広げて、シートも本格的なセミバケットに。まさにGRが手がけたチューニングカーといってよい。

 

その成果はタイムにくっきり表れた。佐々木雅弘選手のタイムアタックで、RZは1分6秒047。モリゾウエディションは1分4秒015を記録した。素性のよさと、チューニングによるパフォーマンスアップを期待させるお披露目となった。

 

 

 

佐々木雅弘選手が語るグレードによる操縦性の差とは

 

「どちらのグレードもスーパー耐久で走らせている水素カローラと同じような動きをしていて、極めて乗りやすいし走っていて楽しい。4WDモードは『トラック』で走ったけれど、アンダーステアは凄く薄い。とくにモリゾウエディションはルーズなオーバーステアがなく、操舵に対しフロントが入って、それからリアが少しずつ動くので4WDの理想に近い。RZはオーバーステアを上手にいなしながら走るイメージ。筑波だとダンロップや最終コーナーが楽しいし、ここから進化させていけると思うとワクワクするクルマだ」(佐々木雅弘選手)

 

佐々木選手のコメントから、RZ(上)とモリゾウエディション(下)のコーナリング姿勢を比較する(ダンロップコーナーにて)

 

 

 

 

GRカローラ開発陣も筑波アタックを見守った。左から大阪晃弘 氏、武田雄一郎 氏、山村純一 氏

 

・GR車両開発部 GRZ ZR2 主幹 武田雄一郎 氏

「いままでの我々の開発は、販売に漕ぎ着けることがゴールで、デリバリーがはじまったら次のクルマの開発という流れでしたが、GRカローラはここからがスタートだと思っています。チューナーやカスタマーの皆さんをはじめ、いろいろな立場の人とコミュニケーションをとりながら、GRカローラを育てていきます。タイムもRZが6秒フラット。モリゾウエディションが4秒フラットと想定どおりで、満足のいく結果でホッとしております」

 

・凄腕技能養成部 FDチームG グランドエキスパート 匠 大阪晃弘 氏

「今回スーパーバトルで走らせていただくことになったのは、モータースポーツで得たノウハウを注ぎ込んだGRカローラのパフォーマンスを、公の場で皆さんに見ていただくチャンスだと思ったからです。我々の開発成果をきちんと見ていただいたうえで、チューニングパーツメーカーやチューナーの皆さん、カスタマーの皆さんが、GRカローラは購入して、手を掛けていく価値があると認識してもらえればうれしいです」

 

・GR車両開発部 車両設計室 主任 山村純一 氏

「RZにはアドバンのV601を選びましたが、これは国内では初採用の標準装着タイヤで、GRカローラ用に合わせ微妙にチューニングしてあります。サスもタイヤにマッチする味付けになっているので、ライフ面を含め公道ではベストだと自負しています。モリゾウエディションは軽量でなおかつサーキットでのパフォーマンスを追求したパイロットスポーツ カップ2を選択。サイズ的にも市販車として目一杯攻めたもので、どちらも走る場所を考えたセッティングを施しました」

 

 

RZ(上)は235/40R18のADVAN APEX V601。モリゾウエディション(下)は245/40R18のミシュランPILOT SPORT CUP 2を履く。RZのアドバンは、グループAレースの「アドバンカローラ」のイメージを継承している面もある

 

 

 

車両重量とエンジントルクが異なるので、RZ(上)とモリゾウエディション(下)ではサスペンションの設定も異なる。モリゾウエディションはF倒立式の単筒式。リアも単筒式でダンパーの色が異なる(モリゾウエディションのダンパーは赤)

 

 

4ドアのGRカローラはGRヤリスと違って荷室が広く使い勝手がよい。タイヤもワンセット積めるし、長距離の移動もラク。モリゾウエディション(下)は2シーターで、専用セミバケットシート

 

 

 

 

ボンネットダクトは脱着可。サーキットで外すとクーリングだけでなく、ステアリングの操舵感もアップ。車体上部を流れる気流が変わり、切り始めたときのフィーリングが向上

 

 

 

モリゾウエディションのフロントのバンパーには、ブレーキ冷却用のクーリングダクトがある。キャリパーの内側に走行風を導く。RZにもオプションとして設定されている

 

 

 

 

 

モリゾウエディションのリアウインドウはレギュレーターを外して軽量化。スイッチ部は再生カーボンでカバー。車高はRZとモリゾウエディションで5mm異なる。ルーフは両車ともCFRP(カーボン)製

 

 

 

 さらにニュースは続く! 当日はクスコがGRカローラでスーパーバトルにエントリー。自社のサスキットや補強パーツをはじめ速攻でチューニングを施した車両だ。佐々木雅弘選手がアタックし、叩き出したタイムからもGRカローラの驚愕のポテンシャルがわかる。こちらも併せてチェックしていただきたい。

 

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