スーパーオートバックスサンシャインKOBEのVABが前後L.S.D.の効きを変更。それに合わせた足まわりのセッティングは?
スーパーオートバックスサンシャインKOBEのVABが前後L.S.D.の効きを変更
それに合わせた足まわりのセッティングは?
Photos/加藤智充,竹内英士 Text/勝森勇夫
鈴鹿サーキットででブーストアップ仕様最速の座を奪還したSAサンシャインKOBEのVAB。しかし、目標とする2分20秒台入りは果たせず。この日も、課題のアンダー対策を講じての鈴鹿入り。ようやくつかんだ、理想のセットとは?
スーパーオートバックスサンシャインKOBE VAB WRX STI
L.S.D.は前後ともクスコのプロジャストRSで、フロントのみタイプF。今回からカムのプロフィールがフロントから先にデフが効く(前輪で引っぱる)ようにリセッティングされている。
アンダーステア傾向からいよいよ脱出
フットワーク&L.S.D.セッティング最終章
鈴鹿で、ブーストUP仕様No.1の座を奪還するも、目標としてきた2分20秒台入りが、なかなか果たせないSAサンシャインKOBEのWRX STi VAB。
5月31日。懸案となっているアンダーステアによるタイムロスを解消すべく、この日も足まわりと前後L.S.D.のベストセッティングが探られた。
L.S.D.の効くタイミングを、これまでの「リアが先に効くセッティング」から、「フロントが先に効くセッティング」に方向転換しての鈴鹿入りだった。
1本目を走り終えたテスターである谷川達也選手は、「オーバーステアな進入時の動きはよい感じ。でも、アクセルを開けると、ズルズルっと、やっぱりアンダーになるなあ……」とコメント。
そこで取られた対策が、リアのバネレートアップ(16㎏/㎜→18㎏/㎜)だ。アクセルを踏んでもリアが沈みにくく、フロントに荷重が残りやすくすることで、フロントタイヤのグリップを高め、推進力を高める。
2本目。調整は良と出た。「フロントの動きが安定し、途中、リアの減衰力を上げたら、フィーリングが一層よくなった。あとは、アクセルを踏んだ時のフロントの蹴り出しがあれば合格」とは、谷川選手の評価。局面打開にグンと近づいた印象だ。
今回の走行ではアーム類はノーマルに戻されている
オイルクーラーをセトラブ製にチェンジし、タイムアッタク仕様に最低限必要なサイズに省力化。ブーストアップ仕様としての走りはこの日をもってファイナルだ。今後はタービン交換仕様にアップデートされる
走行後、ドライバーのコメントを受けてのリセッティング作業。最終的に導き出されたバネレートの理想値はF:16㎏/㎜、R:18㎏/㎜。リアのアシストスプリングは、以前のテンダーから、バネレートを持たないヘルパーに変更された。
そして、最終3本目。今度はフロントのバネレートを14㎏/㎜から16㎏/㎜にアップ。大きく離れていた前後のバネーレートを近づけ、フロントの踏ん張りを高め、コースに入った。そして、このセッティング変更も当たり!
「いままでで最高のフィーリング。曲がりやすく、アクセルONで前に進む手応えもある。冬にNEWタイヤなら、目標の2分20秒入り達成は間違いないんじゃないかな」と谷川選手。SAサンシャインKOBEの VABは、ブーストアップ仕様での、デフ&足まわりのベストセットを、いよいよ探り当てた。
■スーパーオートバックス サンシャインKOBE 兵庫県神戸市東灘区青木1-2-34 TEL078-435-6006 https://www.woow-kobe.com/