【REVSPEED創刊30周年記念企画】世界に誇る日本のチューニング『LEG MOTER SPORT 倉迫幸生』編
2021/01/06 11:47
- CATEGORY : コラム 創刊30周年記念インタビュー
LEG MOTOR SPORT
レッグモータースポーツの名前の由来は、文字どおり、足まわりが得意な店。フットワークチューンを柱に支持を集め、とくにマツダ車チューナーとして、全国に名を轟かせてひさしい。ユーザーの日常に寄り添ったクルマづくりやメンテナンス、パーツ開発が世界に誇れるテクノロジー
愛車と長く、楽しく過ごすための
つねに会話できるクルマづくり
「若い頃の遊びといったらクルマやバイクしかなかったし、先輩や従兄も、クルマでざわつかす人たちだったので、一緒に遊んでもらって、クルマ好きが深まったという感じ。高校を出てから2年間は大分の大学に行っていましたが、早めに卒業させてもらって、20歳で広島の部品商に入りました」
言葉を巧みに選んで語り出す倉迫さん。営業で外回りするうちにレーシングガレージに出入りするようになり、愛車だった初代セリカ(後期型)にターボを付けてもらったり、KP61スターレットに4A‐Gを積んでもらったり、チューニングを謳歌する一方で、西日本サーキットでレースにハマっていく。街でごそごそのクルマ遊びでは味わえない表彰台のエクスタシーを感じてしまったからだ。
タイムアタック全国行脚 WTACにも参戦! SE3P RX-8
国内主要サーキットで好タイムをマーク。オーストラリアで開催されているWTACにも参戦した車両はワイドフェンダーに265/35R18のADVAN A052を履く。車両重量は1205㎏。エンジンはサイドポートチューンで250ps/8500rpm、21.5kg-m/5500rpmのスペックだ。同社のさまざまなSE3P用パーツを生み出してきた
部品商も潤っている時代で、会社がお洒落なカーショップを出すことになった。初代ファミリアがブームになった1980~81年頃の話。倉迫さんはそこの店長補佐を任されたが、量販店がどんどん増えてきて、小さい店は立ち行かなくなり、まもなく閉鎖。引き続き、営業では稼いだが、レースもやっているし、結婚したばかりでもあったので、1995年に独立して足まわりのショップを始めた。ウェッズの部長に愛知のラックを紹介してもらったのがきっかけ。オリジナルダンパーをつくってもらえることになったからだ。
世の中の車高調ブームに乗って軌道に乗る。ラック以外の製品も扱うようになり、ロードスター、FD3S、R32GT‐Rなどのカスタマーが増えた。美祢サーキットでは部品商時代に走行会を始めていた。全国ではわからないが、少なくとも美祢では先駆者だ。店を始めてからも続け、レースと走行会でセッティングの引き出しが増え、エンジンやECUのことはチーフメカである実弟の和彦さんができるようになっていった。
サーキットで存分に楽しめるストリートスポーツの提案 ND5RC ROADSTER
ストリートからサーキットまでとことんドライビングを楽しめる仕様。17×7.5J 30のWedsSport TC105Xに215/40R17のEAGLE RS Sport S specを履く。吸排気+ハイカム+ECUチューンで165ps/7500rpm、16.7kg-m/4800rpm。同様にこちらもさまざまなパーツを輩出してきた。筑波スーパーバトルでは1′05″599の好タイム
「快適装備を外さないで、ブッシュもノーマルで、タイヤもスポーツラジアルで、といったような仕様で、僕らもお客さんもN1耐久(いまのスーパー耐久)の同じ車種の5秒落ちを目標に走っていました。デモカーはDC2インテグラ・タイプRでしたが、家族が増えて、オルティアにEK9シビック・タイプRの顔面とDC2のエンジンを移植して……という苦肉の策を採りました」
マツダ車のチューナー色が濃くなったのは2000年くらいからだ。FD3Sをつくり、RX‐8が出てから急加速した。いまではNDロードスターも含め、それぞれの車種に特化してオリジナルパーツも多彩にラインアップする。
「サーキットを安全に楽しんでもらうのに、サスキットだけではカバーしきれないところもあって、その“ちょっと”を埋めるブッシュだったり、キャンバーがつけられる部品だったり、RX‐8のリアメンバーロックだったり、を用意しています。そういうもので、スポーツカーをよりスポーツカーらしく楽しんでもらいたいのです」
ストリート性能に妥協なし!名車に相応しい仕上げ方 FD3S RX-7
中古車も純正部品も価格が高騰し、大切に乗らざるを得ないFD3Sのオーナーに寄り添った提案のデモカー。「エンジンをいたわりつつ、快適で速い」がコンセプト。ブースト1.0kg/㎠で350ps。普段はもっとローブーストに抑える。18×9.5J 38のSA-25Rに265/35R18のRS Sport S specを履く
世界に誇るレッグモータースポーツの最新テクノロジーとは? 倉迫さんに聞いてみた。
「やっぱりサスキットとフットワーク全体のチューニングだと思います。お客さんはサーキットだけじゃなく、通勤や買い物やドライブなど、さまざまなシーンで愛車を使います。晴れの日ばかりじゃなく雨や風の強い日もあるでしょう。どんなシーンでもつねにクルマと会話しながら走りを楽しめるようなセットを心掛けています」
それが果たせているかを確かめるために、サーキットやフェアを全国行脚。生の声を聞いている。
レッグモータースポーツ
広島県安芸区船越南3-18-13
TEL 082-823-5888
http://www.leg-sport.com