日の目を見ないカッコいい写真

2013/03/26 18:47




 読者のみなさんもある程度想像して頂けると思いますが、毎回取材の度に車両の走行シーンや、チューニングポイントなど、写真をたくさん撮影します。そして、後日カメラマンから写真データが納品されると、山ほどある写真の中から実際に掲載する写真を選別する「セレクト」という作業を行います。

 チューニングポイントの解説用の写真などは、撮影する時には「こう使う」ということを、ほぼ決めているので、露出による明るさの違いによる写真の見え方を気にするくらいで、悩むこともなくセレクトは順調に進みます。

が、メインカットとして使うことの多い走行写真となると、ささっと決まることはありません。

同じカメラマンが同じ場所で撮っていても、フレーミング(構図)や、流し撮りの流れ具合などによって、まったく別の写真のように見えることもあります。

それを使う企画の内容や表現したい内容にあわせて、これまた数多くのなかから、そのページにベストと思うものを選ぶのですが、この作業中に「この写真凄くカッコいい! ……。けど企画の内容に合わないな」というホントにもったいない事態が発生することがあります。

 携帯サイズの写真では分かり難いのですが下の写真もそんな一枚。筑波を走るシムスBRZの写真です。

カッコいい写真_01.JPG

 全体的に流れているんですが、ピントがバシッとあっている部分はシッカリあります。それはドライバーである高木真一選手の目なんです。

 激しい横Gを感じながらマシンコントロールし、筑波の最終コーナー出口を睨みつつフィニッシュラインに向けてスピードをのせていく。

 ドライバーの気合いがヒシヒシと伝わってくる、とてもカッコいい写真だと思うのですが。クルマが主役の企画に使う写真としては、ドライバーが主役の写真は使いにくい……。ということで、泣く泣くボツにしてしまいました。

 とはいうものの、少しでもみなさんの目に触れていただければと思い、今回紹介させてもらいました。(モリタ)






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